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欧州VからNBAの頂点へ。
パーカーが狙う昨季の雪辱。
~スパーズを牽引するフランス人~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byGetty Images

posted2013/10/22 06:00

欧州VからNBAの頂点へ。パーカーが狙う昨季の雪辱。~スパーズを牽引するフランス人~<Number Web> photograph by Getty Images

 トニー・パーカー(サンアントニオ・スパーズ)は、若くしてNBA優勝を経験した好運な選手だ。NBA2シーズン目の'03年、21歳のときに、ベテラン選手たちに引っ張られるように初優勝。その後'05年、'07年にも優勝し、'07年にはファイナルMVPも獲得した。

 一方でフランス代表としては、なかなか頂点を経験できなかった。パーカーの年代のフランスは黄金世代と呼ばれ、NBAチームに所属する選手も多い(昨季の開幕時にはアメリカ以外の国で最多の10人)のだが、強豪揃いのヨーロッパでは優勝に手が届かずにいた。2年前のユーロバスケット(欧州選手権)では決勝まで進んだが、「それだけで喜んでしまって」(パーカー談)、決勝ではスペインに大差で敗れた。

 もっともパーカーは、たとえ敗れても前に進んでいることを感じられたからこそ、毎夏、フランス代表として戦い続けてこられたのだという。

欧州王座に輝いたパーカーが実感する優勝の難しさ。

 9月、パーカーはついにユーロバスケットで優勝、念願の欧州王座についた。長年フランスの前に立ちはだかっていたスペインを準決勝で破っての優勝だった。

「この優勝を追いかけてきた道のりは、すばらしい旅だった。あれだけ苦労したからよかった」とパーカーは言う。

 簡単に得られないからこそ、手にしたときの嬉しさも倍増する――。それは、今のスパーズにも言えることなのかもしれない。スパーズが最後に優勝してから6年以上の年月が流れた。今年6月のファイナルでは第6戦で逆転負けし、目の前にあった優勝を逃している。以前は簡単に思えた優勝がどれだけ大変なことか、今ではよく理解できるという。

 ヨーロッパ優勝はNBAファイナルでの悔しい敗戦から気を紛らわせてくれた。しかし、だからといって6月の悔しさが消えるわけではない。

「あの第6戦については死ぬまで悔しい思いが消えないと思う。95歳になって死ぬときに、『あの第6戦が……』と言っているだろうね。それが人生だ」と、パーカーは言う。

「でも、今シーズンの僕らも、優勝できるだけのチームだ。選手としては、優勝できるチャンスさえあればいい。毎年優勝するわけではないけれど、そのチャンスがあればやっていける」

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