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ヒュルケンベルグの快走で
過熱する'14年シート争い。
~小林可夢偉も絡む移籍レース~ 

text by

今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2013/10/19 08:00

韓国GPでメルセデス会長から「最優秀ドライバー」と賞賛されたヒュルケンベルグ(左)。

韓国GPでメルセデス会長から「最優秀ドライバー」と賞賛されたヒュルケンベルグ(左)。

 韓国GPをS・ベッテルが、PP・優勝・全周回リード・最速ラップ樹立の“F1グランドスラム”で席巻し、4連勝をおさめた。ランク2位のF・アロンソを77点差に突き放し、V4をほぼ決定づけたのだ(13日の日本GPの結果により、ポイントは90点差に開いた)。

 大勢が決した韓国GPの中で、あざやかなレースを貫いたのは4位のN・ヒュルケンベルグ。終始アロンソとL・ハミルトンを抑え込む健闘を見せた。ザウバーはチームの財政改善のため、昨季の小林可夢偉&S・ペレス体制を、彼とE・グティエレスに一新した。しかし、前半10戦はヒュルケンベルグが最高8位、グティエレスは入賞ラインに届かず苦戦していた。

 そこで、技術陣が進めたのが、ピンポイントでのマシンアップデート開発だった。限られたリソースを後半戦に注入。ストレートで中間加速が上がるよう空気抵抗の軽減を目指し、これが超高速コースのイタリアGPでの予選3位、決勝5位につながった。さらに低中速コーナーの立ち上がり加速向上にも取り組み、低速公道シンガポールGPで決勝9位に入賞。これは目立たぬ成績だが、ザウバーはストレートでもコーナーでも速さを見出し、さらに後半変更されたピレリ・タイヤとのマッチング研究も功を奏した。

ライコネン移籍でロータスのシートが“激戦区”に?

「最高のマシンを与えられた気分だ」とヒュルケンベルグは言う。しかし、彼は'14年契約交渉が順調ではなく、ザウバーはさらなる財政健全化のため、ロシア出身のS・シロトキンを起用する意向を表明している。メキシコ・スポンサー絡みでグティエレスは外せない状況にある。昨年の小林とやや似た環境で、彼は他チームへの移籍交渉を検討している。

 そこで浮かび上がるのがロータスだ。K・ライコネンがフェラーリに移籍し、それによって離脱するF・マッサが、空いたロータスのシートを狙う一方、ヒュルケンベルグも「候補リストにある」とロータス首脳は認める。韓国GPではR・グロジャンがライコネンと2位争いを展開。彼もエース昇格で'14年のシートを確実にしたいところだ。

 '14年ストーブリーグは終盤に来てロータスを中心に現在進行中であり、ヒュルケンベルグ、グロジャン、マッサ、さらには小林も含めて活発化している。来季に向けたもう一つの“レース”である。

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