戦力で優位の西武に、伊東監督はいかに挑むか。

　このままの状態なら、CS第1ステージも西武の優位は揺るがないだろう。しかし、ここでひとつ読めないことがある。

　それは、ロッテ・伊東勤監督である。

　今季の伊東監督の采配には読み切れないことが多かった。送りバントの数がリーグ5位と少なく、打たせていくケースが多い。

　早い回からの送りバントをあまり使わない攻撃的なスタイルは、日本の野球界の中にあっても新鮮だった。

　しかし、だからといってバントをしないわけでもない。それが目先の1点にこだわっているのかが分かりにくく、作戦が読みにくい。

　シーズン終盤での、投手起用も気になる点が多い。

　9月27日の楽天戦では本来はストッパーであるはずの益田をセットアッパーに回し、内竜也と入れ替えた。

　益田は楽天との相性が悪く、防御率にして10.50でカード別で最多の3敗を喫している。もしかすると、伊東監督はこの時点で、楽天に勝つための投手起用を見い出そうとしていたのかもしれない。

CS最終ステージを見据えた成瀬の起用法。

　さらに不思議に思ったのは、なぜ伊東監督は西武との最終戦に成瀬善久を先発させたのか、ということだ。

　ロッテにとってCSで戦う西武は否が応にも意識する相手だ。

　この一戦だけでなく、CSも睨まなければいけないはずだが、この日に成瀬を先発させるということは、日程から考えても、CS第1ステージでの先発が難しくなる。

　結果的に、この日の内容が良くなかったために、伊東監督は、成瀬の先発起用を断念することを示唆したが、万一、ここで好投していたとしても、CS第1ステージの登板はなかったということである。成瀬の力量を確かめるなら、その前節のオリックス戦で良かったはずだ。

　つまり、伊東監督は、成瀬が使えると判断できた場合、CS最終ステージ・楽天戦での登板を睨んでいたのではないか。

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