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【血統評論家栗山求の勝負目線】毎日王冠血統的考察 

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posted2013/10/05 19:00

【血統評論家栗山求の勝負目線】毎日王冠血統的考察<Number Web>

先週のスプリンターズSは◎ロードカナロア(1番人気)が
出遅れながらも差し切って優勝、4つめのスプリントG1を獲得した。

単勝1.3倍のオッズが示すとおり断然の存在であり、
横綱らしい見事な勝利というほかない。

2着△ハクサンムーン(2番人気)は
前傾ラップに実績がないことを理由に印を下げてしまったが、
このところの地力強化がレースぶりに表れた好走だった。

3歳世代にこれといったスプリンターがいないので、
来年はハクサンムーンがロードカナロアに代わって東の正横綱に昇進し、
日本の短距離界を牽引することになりそうだ。

さて、今週は毎日王冠(G2・芝1800m)。

天皇賞・秋(G1・芝2000m)の前哨戦として最も信頼できるレースで、

過去5年間の天皇賞連対馬10頭のうち半数の5頭が
ここをステップにしている。

うち3頭(ウオッカ、カンパニー、ダークシャドウ)は連対を果たしていた。
つまり、秋の盾で勝ち負けになりそうな馬を直球勝負で狙うレースといえる。

本番と直結する前哨戦らしく今年も好メンバーがそろった。

エイシンフラッシュ、クラレント、コディーノ、
ジャスタウェイ、ショウナンマイティ、ダークシャドウ、レッドスパーダなど、
どこからでも狙うことができるので目移りがする。

東京芝1800mはディープインパクト産駒が強く、連対率は32%を誇る。

今年はエキストラエンドとボレアスの登録がある。

前者は京都新聞杯3着、弥生賞5着、日経新春杯5着などの成績があり、
準OPを勝ち上がったばかりとはいえ格下感はない。
リベルタス(朝日杯FS・3着)の全弟で
ローエングリン(重賞4勝)の半弟にあたる良血。

叩いて良くなるタイプだが、
まったく計算もなしに角居調教師がわざわざ遠征をしてくるとも思えず、
夏のあいだに大きく成長していれば馬券圏内に食い込んできても不思議はない。

後者は長らくダート路線を使ってきた馬だけにさすがに厳しいだろう。

ディープに次ぐ好成績を残しているのはハーツクライ。連対率は30%。

こちらはジャスタウェイが出走してくる。

3歳だった昨年、12番人気で2着に飛んできたのは高い適性の成せる業だろう。

左回りの良馬場で行われるG2?G3、
という条件に限ると4戦4連対という成績。

休み明けだった昨年とは違い、
今年は関屋記念(2着)を使って臨んでくる。

ここ2戦、出遅れ癖が定着した感があるのは嫌な材料だが、
2戦連続で馬体重が10キロずつ増えており、
4歳秋を迎えて本格化の兆しがうかがえる。

ノーザンダンサー系のリファール、ニジンスキー、
ダンジグ、ノーザンテーストとは相性がいい。

これらの血を含んだ馬は侮れない。

有力馬のなかで4代以内にこれらの血を持っているものは以下のとおり。

・クラレント(ニジンスキー、リファール)
・タッチミーノット(ニジンスキー)
・ダークシャドウ(ニジンスキー、ダンジグ)
・ミッキードリーム(ノーザンテースト)
・レッドスパーダ(ニジンスキー)

クラレントとダークシャドウはダブルで持っている。
いずれも当コースで重賞を勝った経験があるようにコース適性は高い。
あとは体調面だろう。

過去5年間の連対馬はすべて休み明けで、7?9月に出走歴がない。

夏から秋競馬に出走した馬は3着まで、という傾向が出ている。
この条件に引っ掛かる馬は以下のとおり。

・ジャスタウェイ
・タッチミーノット
・ボレアス
・ミッキードリーム
・レッドスパーダ

過去3年間の連対馬6頭のうち5頭が3歳馬。

わずかな出走頭数で確実に上位争いをしているのだからフロックではない。

今年の注目はなんといってもコディーノ。

春は弥生賞3着、皐月賞3着ともう一歩の成績で、
日本ダービーは距離が長く、また馬体細化も響いて9着に敗れた。

しかし、重賞を勝たなかったことにより別定重量の加算を免れ、
54キロで出走できるのは大きい。

過去3年間に連対した3歳馬の斤量はリアルインパクトが57キロ、
アリゼオ、エイシンアポロン、カレンブラックヒルが56キロ、
ジャスタウェイが54キロ。

今回の「コディーノ54キロ」が
いかに恵まれたものであるかご理解いただけると思う。

しかも、同コースで行われた昨年の東京スポーツ杯2歳Sでは
レコード勝ちを果たしている。買い目から外すことはできない。

以上のファクターを総合的に判断し、
調教の動きなどを加味しつつ、週末に最終結論を出したい。

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プロフィール

栗山求(くりやま・もとむ)
1968年生まれ、高校時代から血統研究にのめり込み、大学在学中の1989年に血統専門誌『週刊競馬通信』を発行する競馬通信社に入社。
編集長を務めたあと1997年に退社し、主に血統をフィールドとするフリーライターとなる。さまざまな雑誌・サイトに寄稿するほか、現在はテレビ・イベント・講演などの出演も精力的にこなす。
2010年に設立した株式会社ミエスクの代表取締役となり、血統・配合の総合競馬サイト「血統屋」を主宰する。
馬主や生産者を顧客とする配合コンサルタントの仕事が年々増えている。

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