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今季初優勝を飾った小田孔明。
移籍と新クラブが変えたもの。 

text by

桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

PROFILE

photograph byHochi Shimbun/AFLO

posted2013/09/25 10:30

今季初優勝を飾った小田孔明。移籍と新クラブが変えたもの。<Number Web> photograph by Hochi Shimbun/AFLO

かつて「飛ばし屋」と呼ばれた男が壁にぶつかり、クラブを替えるという大きな決断をした。小田孔明のキャリアはこれからどんな曲線を描くのだろうか。

クラブへの信頼感が小田のゴルフを変えた。

 もちろん、これまでのチームへの感謝の気持ちは計り知れない。しかし、小田も自身の成績を加味しながら、パワーバランスの変化を予期していたのかもしれない。「色んなことが合わさったタイミングではあった」と言葉を濁すが、そんなチーム事情が、“新天地”で再出発する動機のひとつになったと考えるのは想像に難くない。

 実はクラブを一新した小田のドライビングディスタンスは、昨年の288.68ヤード(全体28位)から、今年は290.72ヤード(21位)と僅かな変化しか起こっていない。であるならば、クラブに絶大の信頼を寄せてプレーしていることが彼のゴルフを変えているのかもしれない。

 ANAオープンの最終日最終ホール。3打のリードを手にして迎えた小田には、ティショットをアイアンで打ち、確実にフェアウェイにボールを運び、リードを守る作戦も考えられた。

 だが小田は、ドライバーを握った。安全策を取らなくたって、このクラブと勝ってみせる――。

「絶対、フェアウェイに打ってやるって思った」

 信頼の一打は、狙い通りフェアウェイを転がっていった。小田はプレーで自分の決断が正しかったことを証明してみせたのである。

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小田孔明

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