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【血統評論家栗山求の勝負目線】神戸新聞杯血統的考察 

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posted2013/09/19 19:15

【血統評論家栗山求の勝負目線】神戸新聞杯血統的考察<Number Web>

先週のローズSは▲デニムアンドルビー(1番人気)が
後方から脚を伸ばして差し切った。

序盤は後方ポツン。
こんな競馬になるんじゃないかという想定通りのレースぶりで、
印を下げた判断は正解だったと考えていたのですが、
まさかあそこから勝ってしまうとは・・・。脱帽です。

夏の間に精神面の成長が見られなかったのは
不満といえば不満ですが、それでもライバルたちを
ねじ伏せて勝ってしまうのですから末恐ろしい馬です。

序盤のロスを軽減できればもっと楽に勝てるでしょうし、
そのあたりの矯正は角居厩舎と
ノーザンファームのスタッフの手腕に期待したいところです。

さて、今週は神戸新聞杯(G2.・芝2400m)。

フランスに遠征してニエル賞(G2)に出走したキズナが、
ヨーロッパの同世代のトップクラスに快勝したので、
それと同等の能力を持つエピファネイアにもこの秋は大仕事を期待したい。

レースが行われる阪神芝2400mは外回りコース。
直線が長いのでペースに関係なく差しが届く。

07年以降6回行われたレースで、
逃げて粘った馬は09年の2着馬リーチザクラウンしかいない。
末脚のしっかりした馬を主力視したい。

差し有利はその通りではあるが、
見方を変えれば実力馬がしっかり勝てるレースでもある。

過去3年の勝ち馬は、
ローズキングダム、オルフェーヴル、ゴールドシップ。

いずれもその年の秋にG1(しかも古馬混合)を勝っている。

世代を代表する強豪は好位や中団から差してくる馬が多く、
それらが問題なく勝てるコースなので差し有利に見える面もあるだろう。

過去3年、G1勝ちの実績のある馬は
すべて連対を果たしているが、
今年の出走馬のなかにG1馬はいない。

ただ、皐月賞とダービーで2着となったエピファネイアは、
キズナやロゴタイプがいないメンバーのなかでは実績的に抜けており、
この馬がレースの中心であるという図式は動かしがたい。

引っ掛かり癖が収まったかどうか
気になるところだが、相手探しのレースだろう。

7番人気で勝った09年のイコピコと、
8番人気で2着となった12年のロードアクレイムは、
いずれもラジオNIKKEI賞からのぶっつけだった。

穴を出すとしたらこのパターン。

今年はカシノピカチュウが
ラジオNIKKEI賞2着からぶっつけでこのレースに挑む。
この馬は侮れない。

王道路線が強く、
過去5年間の連対馬10頭のうち8頭がダービーからの直行で、
しかも掲示板に載った馬だった。

しかし、今年はダービーの掲示板に載った馬がエピファネイアのみ。

ダービー1桁着順に範囲を広げるとテイエムイナズマ(6着)、
タマモベストプレイ(8着)が候補となる。

過去6回、前走が条件戦だった馬は一度も連対していないが、
今年はメンバーがやや手薄なので、

芝の1000万条件を勝って臨んでくる
ヒルノドンカルロ、マジェスティハーツ、ヤマイチパートナー、
ラストインパクトまで手を広げたほうがいいかもしれない。

この4頭のうち神戸新聞杯でおもしろそうなのは
マジェスティハーツとラストインパクトの2頭。

マジェスティハーツは
6月に500万下を、7月に1000万下を勝って上昇している。

前走はマイル戦だったが、
ハーツクライ産駒は長距離に実績があるので軽く見ないほうがいいだろう。

ラストインパクトは青葉賞3着の実績がある。

「ディープインパクト+パシフィカス牝系」といえばキズナと同じ。
こちらはタフな血統で阪神芝2400mは合っている。

阪神芝2400mで実績を挙げている種牡馬は、
フジキセキ、キングカメハメハ、ハーツクライなど。

ディープインパクトは2年連続で
3着以内に産駒を送り込んでいるので問題はないが、
連対率に関していえばイマイチ。

これらの種牡馬の子は以下のとおり。

■フジキセキ
・タマモベストプレイ

■キングカメハメハ
・ウエスタンオウジ
・カッパドキア
・トウシンモンステラ
・トーセンハルカゼ

■ハーツクライ
・ヒルノドンカルロ
・マジェスティハーツ

以上のファクターを総合的に判断し、持ち時計、枠順と脚質、
調教の動きなどを加味しつつ、週末に最終結論を出したい。

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プロフィール

栗山求(くりやま・もとむ)
1968年生まれ、高校時代から血統研究にのめり込み、大学在学中の1989年に血統専門誌『週刊競馬通信』を発行する競馬通信社に入社。
編集長を務めたあと1997年に退社し、主に血統をフィールドとするフリーライターとなる。さまざまな雑誌・サイトに寄稿するほか、現在はテレビ・イベント・講演などの出演も精力的にこなす。
2010年に設立した株式会社ミエスクの代表取締役となり、血統・配合の総合競馬サイト「血統屋」を主宰する。
馬主や生産者を顧客とする配合コンサルタントの仕事が年々増えている。

ブログ→http://kuriyama.miesque.com/(毎日更新中)
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