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「アマ最強」ロマチェンコ、
ギネス記録奪取なるか。
~通算396勝1敗、驚異のボクサー~ 

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前田衷

前田衷Makoto Maeda

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photograph byGetty Images

posted2013/09/23 08:00

「アマ最強」ロマチェンコ、ギネス記録奪取なるか。~通算396勝1敗、驚異のボクサー~<Number Web> photograph by Getty Images

ロンドン五輪決勝、韓国のハン(左)を破り、2大会連続金メダルを手にしたロマチェンコ。

 華々しいプロ・デビューを飾った村田諒太の傍らで独特の存在感を放っていたのが、ボブ・アラム氏だった。間もなく82歳になる世界的プロモーター。同年代のライバル、ドン・キングはすでにフェイドアウトしつつある今、こちらはまだ現役バリバリなのだ。

 アラム率いるトップランク社は、ロンドン五輪の金メダリスト3人とプロ契約を結び注目されたばかり。日本の村田諒太、中国の鄒市明(ゾウシミン)とともに次代のスーパースターに育てようとしているのが、「アマ最強」と評判をとるウクライナのワシル・ロマチェンコである。

 北京(フェザー級)、ロンドン(ライト級)と2大会連続で五輪金メダル獲得。同じく世界選手権2連覇。「396勝1敗」という驚異的なレコード。これだけでもロマチェンコの凄さが理解できよう。

 村田や鄒のプロ契約のケースと違うのは、ロマチェンコがAIBA(アマの世界的統括機関)の中のプロ組織WSBの看板として戦っていた選手であり、これをアラム氏が強引に引き抜くかたちでプロ入りさせたこと。既存のプロに対抗してプロ組織を作り、アマの逸材を囲おうとするAIBAが、「至宝」を奪われて黙ったままでいるのか、今後のリアクションも気になるところだ。

プロ第1戦での世界挑戦は不可能も、2戦目なら……。

 では、それほどまでにしてプロが欲しがった逸材は、実際にプロのリングで活躍できるのか? 過去に期待を裏切った転向例はいくらでもあるのだ。だが確かに、強い。高いレベルの万能型のボクシングは、過去にアラム氏が手掛けたスーパースター、シュガー・レイ・レナードやオスカー・デラホーヤらのプロ転向時と比べても遜色ない。しかも積極的に仕掛けるサウスポーのボクサーファイターで、観客を飽きさせる心配もなさそうだ。

 これまでのアマからの転向組と異なる点がまだある。普通はプロの水に慣れるために最初は相手を選んで数試合をこなすものだが、ロマチェンコはプロ第1戦で即世界挑戦を希望して話題になった。大変な自信である。これは現在の規則では挑戦資格が得られず、不可能。よって2戦目での挑戦が計画されているが、これでも勝てば最短世界王座奪取の新記録としてギネスブックにも載るはずだ。

 まずは10月12日にラスベガスで予定されるデビュー戦に注目したい。

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