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独走態勢を築いたベッテル、
V4へのカウントダウン。
~イタリアGP快勝で見せた地力~ 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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posted2013/09/20 06:00

独走態勢を築いたベッテル、V4へのカウントダウン。~イタリアGP快勝で見せた地力~<Number Web> photograph by AFLO

「生ける伝説」と称されるA・ニューウェイ技術監督と勝利の美酒に酔うベッテル(左)。

 決戦となったイタリアGPでS・ベッテルが2位のF・アロンソを5.467秒差で退け、222点とさらにリードを広げた。ベッテルは今季12戦6勝と勝率5割のハイペースで、ライバル勢を突き放し、V4に向けさらに加速した。

 53点差のアロンソは、残り7戦を仮に全勝しても、ベッテルが2位で続いてきたら逆転できない。自力Vは困難で、相手のリタイアや下位転落を期待するほかなくなった。勝負師アロンソはまだ完全に諦めてはいないが、レッドブル・ルノーを抜き去るだけの戦力がフェラーリにはないと言わざるを得ない。

 フェラーリは、モンツァでの母国戦を前に、空力性能の改善を行なっている。しかし、中盤戦で先行されたメルセデスやロータスは抜いたものの、大敵を捕らえるまでには至らなかった。

同僚のウェバーとの争いもなく、心理面でも余裕が。

 戦前予測では、コーナー数が少なく、直線主体の高速ストップ&ゴー・タイプのモンツァはレッドブル不利と見られた。技術監督のA・ニューウェイも劣勢を暗に認める発言をしていたが、ベッテルは目覚ましいコーナリングスピードを初日から見せた。

 リア・ウイングを小型化して空気抵抗を軽減しながらも、マシン先端から底部や後端デザイン処理によってダウンフォースを強大化することに成功。少ないコーナーをより速く抜け、続く直線前半区間でタイムを稼ぐ。レズモ中速コーナー、アスカリ高速シケインをベッテルは飛び抜けた旋回速度でクリアー。一方、アロンソはそこでダウンフォースが不足し、シビアな挙動を抑え込む走りを余儀なくされた。

 また、シーズン後半でベッテルがリードを拡大できた背景には、引退宣言したチームメイトのM・ウェバーが昨年までのように挑んでこないという、心理面で余裕がある。ウェバーにはチームが'14年部品の先行テストを担当させているとも見られ、彼も最後の務めと割り切っている様子だ。また、連続PPの勢いできたL・ハミルトンにはメルセデスの高速コーナーでの不安定さがあり、ロータスのK・ライコネンも予選でスピードを欠き、難しいレースを強いられている。

 大勢が決しつつあるチャンピオンシップ。いつどこでベッテルが決めるか。アロンソ最後の抵抗しだいでは日本GPの可能性も出てきた。

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