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ダルビッシュを攻略して歴史的偉業!
パイレーツ、21年ぶり勝ち越し決定。 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byGetty Images

posted2013/09/14 08:01

ダルビッシュを攻略して歴史的偉業!パイレーツ、21年ぶり勝ち越し決定。<Number Web> photograph by Getty Images

9月9日、レンジャーズ戦で好投を見せ、勝ち投手となったゲリット・コール選手。ここまで7勝7敗、防御率3.48と更なる活躍が期待される。

 9月9日、パイレーツがレンジャーズを相手に1-0で勝利。今季82勝目を挙げ、今シーズン8チーム目となる勝ち越しを決めた。

 パイレーツは今シーズン、カージナルス、レッズと開幕から熾烈な首位争いを演じており、シーズン勝ち越しは予定通りだった。

 しかしチームにとっては1992年以来、21年ぶりの勝ち越しであり、米国4大プロスポーツ史上最長の“20シーズン連続負け越し”という不名誉な記録を打ち破った瞬間でもあった。

あまりにも長い20年という時間。

 1993年から2012年まで実に20年間──。

“10年一昔”といわれる現代社会の感覚でいえば、20年はまさに歴史の一部となる昔と言える。

 1993年といえば、日本では今やすっかり日本の原風景になっている横浜ランドマークタワーやレインボーブリッジができた年であり、スポーツ界に目を転じれば、Jリーグが誕生し、プロ野球ではスワローズが2年連続リーグ優勝を果たしている。

 当時のメジャーはブルージェイズがワールドシリーズ2連覇を飾り、新人賞に輝いたのは、ナ・リーグがマイク・ピアザ選手、ア・リーグがティム・サーモン選手。

 もちろん2人とも随分前に引退している一世代前の選手たちだ。

 そんな1993年から昨年までずっと負け越しを続けてきたパイレーツ。

 この間、監督は代理を含めると計7人が入れ替わり、オールスター戦にファン投票で選出されたのもわずか3選手(それも1度ずつ)だけと、めぼしい主力選手も登場しないまま時間だけが虚しく経過していった。

 20年間で最高の成績は1997年の79勝83敗の地区2位。あとは3位2回、4位4回、5位(地区7チームもしくは6チームで)4回、最下位9回と、まさに長期低迷を続けてきた。

【次ページ】 勝ち越しに目標を設定するチームなどない。

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