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UFCの頂点へ向かう、
“稲妻”岡見勇信の成長。
~ミドル級タイトルマッチ挑戦へ~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2010/11/28 08:00

UFCの頂点へ向かう、“稲妻”岡見勇信の成長。~ミドル級タイトルマッチ挑戦へ~<Number Web> photograph by Susumu Nagao

パンチで圧倒した岡見(左)。試合後「アンデウソンと戦い世界王者になりたい」と語った

 総合格闘技界のメジャーリーガー、岡見“サンダー”勇信が夢に向かってまた一歩前進した。11月13日(現地時間)、ドイツで行なわれたUFC122で強豪ネイサン・マーコートを3-0の判定で撃破。UFC世界ミドル級王座への挑戦権を手に入れたのだ。

 試合がこう着すると観客席からブーイングが飛ぶこともあったが、だからといってこの一戦を凡戦と片づけるのは早計だろう。そもそもタイトル挑戦権のかかった一戦であり、両者とも勝ちに固執するのは当たり前。そのうえ、穴が少ない者同士の対戦だったので、派手な攻防が少ないことはある程度想像できたはずだ。

ボクシング技術の向上とテイクダウン後の落ち着いた対応。

 それより岡見の成長ぶりを評価すべきだろう。白眉はボクシング技術の向上だ。中でもプレッシャーのかけ方は見事だった。それがあまりにも強かったせいか、マーコートは2R途中からバテ気味に。岡見がワンツーを放っても、距離を外すだけで何も返さない場面が目立っていた。

 また、マーコートにテイクダウンを奪われた直後の落ち着いた対処も見逃せない。劣勢に立たされても慌てず騒がず。すぐに試合を建て直すだけの技術を岡見は持ち合わせていた。

 もちろん、マーコートのクセも研究済み。そうでなければ、片足タックルから相手の体勢を崩してのパンチや、2度に渡るギロチンチョークを防ぐことはできなかっただろう。

 結局、ダウンを奪うようなクリーンヒットこそなかったが、ジャッジは終始前に出続けた岡見の積極性を評価した。

岡見はタイトル射程圏に踏みとどまっている唯一の日本人。

 これでUFCでの通算戦績は10勝2敗。17年目を迎えたUFCで二桁勝利をあげた日本人選手は岡見が初めてだ。10月16日のUFC120では秋山成勲がマイケル・ビスピンに敗北。UFCとの合併が決まったWECでは、11月11日の大会で水垣偉弥がユライヤ・フェイバーに一本負けを喫してしまった。UFCのタイトル射程圏に踏み止まっている日本人選手は岡見しかいない。

 UFCを仕切るダナ・ホワイト氏も王者アンデウソン・シウバにビクトー・ベウフォートが挑戦するUFC世界ミドル級タイトルマッチ(来年早々に開催か?)の勝者に岡見が挑戦することを明言した。このクラスでは日本人離れした体格を誇り、屈強な外国人選手にも組み負けしない日本の稲妻の快挙に期待したい。

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