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ウッズとのラウンドから
石川遼が学んだもの。
~見えないものを見る能力とは?~ 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byYuichi Masuda

posted2010/11/26 06:00

ウッズとのラウンドから石川遼が学んだもの。~見えないものを見る能力とは?~<Number Web> photograph by Yuichi Masuda

ウッズと石川の対決は6ホールのストロークプレーで行なわれ、ウッズに軍配が上がった

 19歳の石川遼が、眩しい。

 VISA太平洋マスターズで今季3勝目をあげ、2年連続賞金王へ望みをつなげた。だが、今季の石川は秘かな悩みを抱えていたように思う。

 4月のマスターズをはじめ海外メジャーに挑戦しても、上位進出、優勝争いへ加わるという壁が破れなかった。それは、優勝に対する貪欲なまでの情熱や執着心だけでは処理できない技術的な不足分を埋めたいという熱意からくる悩みだった。

 日本ツアーの中盤で、優勝できない試合が続いていたのは“悩み”と無関係ではない。そんな中で、石川が自分のスイングや技量に手を加えたきっかけが、日本オープンだった。

 この大会で優勝した金庚泰(キム・キョンテ)には「アプローチの精度が自分よりもはるかに上」と、改めて思い知らされた。また「遼世代」のひとり、アマチュアの松山英樹と同じ組で回ったことも、刺激になったようだ。

 さらに、11月1日のテレビマッチの収録でタイガー・ウッズとプレーしたことも、石川のゴルフに、さらなる推進力を与えたに違いない。

目に見えない部分までも観察し自分のものにする石川遼。

 ウッズとラウンドして、石川が細部にわたって観察していたのは、例えば、トップの位置やショートゲームでのスピンコントロールだったという。

 ボールを転がす、奥からスピンで戻す、その場で止める。状況に応じて、自在に打ち分けながら、ボールの高さ、転がり具合、バックスピンの割合などをコントロールするウッズ。それは、インパクトへのフェースの入り具合やヘッドスピードによっても違ってくるのだ。石川は、そういう目に見えない部分までをも観察していたに違いない。

 かつてジャンボ尾崎はこう言った。

「他人から手とり足とり教わったことは、自分の中の2割にしか過ぎない。つまり、それしかタメにならない。残りの8割は、自分が見出したもの」

 石川も、まさにその言葉通り、いち早く吸収し、咀嚼し、自分のものにしてしまう能力があるのだと思う。

 そんな石川の眩しさが、遼世代の10代の選手たちには輝きに見え、彼らの勢いに押される中堅・ベテラン選手たちには眩しすぎる逆光に見えているのかも知れない。

■関連コラム► <2年連続賞金王のその先へ> 石川遼 「史上最強の19歳」 ~世界の強豪と比較して~
► <男子ゴルフ界の勢力図> 「遼世代」の台頭は、何をもたらしたか。

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