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【血統評論家栗山求の勝負目線】京成杯オータムH血統的考察 

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posted2013/09/05 14:50

【血統評論家栗山求の勝負目線】京成杯オータムH血統的考察<Number Web>

先週の札幌2歳Sは▲レッドリヴェール(2番人気)が
○マイネグレヴィル(4番人気)に競り勝った。

レースの上がりが42秒0という凄まじい道悪。

そのなかで牡馬を7馬身引き離して
牝馬2頭が叩き合ったのだから力が抜けていた。

こんな馬場が合っているのも確かだが、
精神面の強さを含めて能力が上だった、ということだろう。

レッドリヴェールは426kgの小柄な馬体で、
しかも前有利の馬場にもかかわらず、
後方から勝負どころでポジションを上げて差し切った。

デビュー2戦目の2歳牝馬にできる競馬ではない。

初戦の内容から高速馬場にも対応できるはず。

今回のダメージが残らないようじっくり体を休めてほしいものだ。

さて、今週は京成杯オータムH(G3・芝1600m)

本来であればセントウルS(G2・芝1200m)を取り上げるべきなのだが、
ロードカナロアの実力が抜けており、

勝てるだけの調子にあるかどうか、という体調面の見極めが
馬券を検討する上での最大のポイントとなっているため、

血統から分析する妙味が薄い。
今年は外国から参戦してくる馬もいない。

したがってハンデ戦で馬券がおもしろい
京成杯オータムHを取り上げることにする。

中山が改修工事のため新潟に場所を移して行われた02年を除けば、

最後に1番人気馬が連対したのは、
01年のゼンノエルシドまでさかのぼらなければならない。

ハンデ戦は実力馬の斤量を重くし、
そうでない馬を軽くして馬券的な妙味を人工的に創り出すレースなので、
一般的に実力上位と見なされた人気馬はイマイチ信用できず、
軽量の人気薄が大駆けしやすい。

それでも、通常のハンデ戦であれば、
人気馬と人気薄の差が少なくなるだけで、
人気馬がまったく信用できないということはない。

しかしこのレースは、
前述のように1番人気馬が10年以上にわたって連対しておらず、

07年に3着となったマイネルシーガルを最後に
馬券にすらなっていないのだから、
1番人気馬の信頼性のなさがお分かりいただけると思う。

昨年、1分30秒7の世界レコードを樹立したレオアクティブ。
今年は1番人気に推されることになりそうだ。

1番人気がことごとく消えるレースでどんな競馬をするか興味深い。
結論からいえば、これまでのレース傾向どおり、危ないのではないかと思う。

レオアクティブにとって向いているとは思えなかった
前走の関屋記念(G3)で3着と好走したあたり、
馬の調子はかなり上がってきているのは間違いないだろう。

ただ、昨年は後方から最内に進路を取って差し切るという
横山典弘騎手の名人芸が光るレースだった。

同じようなレースが再現できるかとなると疑問がある。

後方から外に進路を取ると
インコースを通った好位勢をとらえることが難しくなり、
しかも今年は昨年よりも3kg増の57kg。

昨年のように速いペースで
馬群を引っ張る馬が見当たらないのも懸念材料だ。

また、過去10年間で関屋記念最先着馬が
京成杯オータムHで連対した例はたった1回しかない。

これだけ難しい条件が揃った馬を1番人気で買う勇気はない。

逃げ馬は6年連続で馬券に絡んでおらず、
昨年のレオアクティブのような追い込みは、
展開がハマらなければなかなか決まらない。

信頼できるのは好位で器用に立ち回れる馬。

中山芝1600mは、最後の直線が短いので、
流れ乗って好位から流れ込むタイプに有利なコース。

スピードの持続力に秀でた馬が好走し、
ラストの切れ味はさほど要求されない。

よく知られているとおり、
外枠が不利なコースなので、できれば内枠の馬を狙いたい。

10番枠より外は評価を下げたい。

ただし、出脚が鋭く3番手以内にスッと付けられる馬はその限りではない。
斤量は53?55kgあたりがよく来ており、しかもよく穴をあけている。

血統的には、ディープインパクト、
ダイワメジャー、キングカメハメハの3頭は当コースと相性がいい。

一昨年の覇者フィフスペトルはキンカメ産駒だった。

また、3年連続で「母の父サンデーサイレンス」が
連対している点にも注目したい。

このほか、当レースと相性がいい血は、
ノーザンテースト、ミスタープロスペクター、ブラッシンググルーム。

これらの血を持つ馬はチェックしておきたいところ。

★ディープインパクト
 ダノンシャーク

★ダイワメジャー
 エクセラントカーヴ

★キングカメハメハ
 ウインクリアビュー
 グラッツィア
 ミッキードリーム

★母の父サンデーサイレンス
 インパルスヒーロー
 ゴットフリート
 スマイルジャック
 セイリオス
 ミッキードリーム
 ルナ

これらのファクターを総合的に判断し、
持ち時計、枠順と脚質、調教の動きなどを加味しつつ、
週末に最終結論を出したい。

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プロフィール

栗山求(くりやま・もとむ)
1968年生まれ、高校時代から血統研究にのめり込み、大学在学中の1989年に血統専門誌『週刊競馬通信』を発行する競馬通信社に入社。
編集長を務めたあと1997年に退社し、主に血統をフィールドとするフリーライターとなる。さまざまな雑誌・サイトに寄稿するほか、現在はテレビ・イベント・講演などの出演も精力的にこなす。
2010年に設立した株式会社ミエスクの代表取締役となり、血統・配合の総合競馬サイト「血統屋」を主宰する。
馬主や生産者を顧客とする配合コンサルタントの仕事が年々増えている。

ブログ→http://kuriyama.miesque.com/(毎日更新中)
血統屋→http://miesque.com/
栗山求 Official Website→http://www.miesque.com/motomu/

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