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未来のスターホース。サンドピアリス孫馬の未来。~ユニオンオーナーズクラブ所属ペガサス12~ 

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posted2013/08/26 13:15

未来のスターホース。サンドピアリス孫馬の未来。~ユニオンオーナーズクラブ所属ペガサス12~<Number Web>

8月に入り、競走馬のふるさと北海道も、本格的に夏色が眩しい季節になりました。
各生産牧場では、春に生まれた当歳馬が、母馬と別れる離乳をむかえる時期でしょうか。

同じ頃、新ひだか町静内では管内最大規模のサマーセールが行われ、丹精込めて育てた1歳馬たちがせりにかかり、未来のヒーロー・ヒロインになるべくスタートラインに立ってゆきます。
ユニオンオーナーズクラブでは、1歳の募集馬たちに、ギリシャ神話に登場する翼を持った天馬のように、大きく羽ばたいてほしいと願いを込めて「ペガサス」と呼んでいるそうですが、前回、第14回エリザベス女王杯の勝ち馬であるクラブ所属のサンドピアリスも、ペガサス時代を経て、記録と記憶に残る名馬になりました。
今年は彼女の孫にあたる「ペガサス12」(3月2日生まれ・牝・岡田牧場生産 関西・宮本博厩舎入厩予定)が募集されることになり、話題となっていますのでご紹介しましょう。

父はアメリカ産馬のフレンチデピュティ。母はサンドピアリス最後の産駒サンドヴィーナスという血統で、母父である2001年の菊花賞馬マンハッタンカフェが誇ったスタミナの融合も魅力になっています。
フレンチデピュティの産駒には、JBCスプリント・東京盃など、ダートの重賞8勝をあげているノボジャックや、NHKマイルカップとジャパンカップダートで優勝したクロフネがおり、2007年にはピンクカメオがNHKマイルカップを制しています。
2008年にはアドマイヤジュピタが天皇賞・春を、エイシンデピュティが宝塚記念を制するなど、父は、ダートや芝を問わず、マイルから長距離まで、幅の広い活躍馬を輩出しています。
社台スタリオンで種牡馬生活を送るフレンチデピュティは、筋肉の鎧で覆われた圧巻の馬格を今も誇っており、仕上がりの早い産駒を輩出していることで評判です。
穏やかな性格の中に秘められた熱い闘志は、父と子だけに許された「血の会話」となり、すべての産駒たちに語り継がれてゆくことでしょう。

このように、種牡馬である父の影響をまざまざと見せつけられるスポーツは、競馬の他にはありませんが、血統とは一筋縄では計り知れないもので、それもまた競馬の醍醐味といえるのではないでしょうか。
母系のダート適性にも目を見張るものがあります。

ダートで10勝した曾祖母イエンライトや、デビュー戦と2勝目はダート戦で圧勝している祖母サンドピアリス(父ハイセイコー)。
サンドピアリスの代表産駒であり、ペガサス12のおじであるタモマストロングは、2000年マーチステークスなどダート重賞で4勝という輝かしい成績を残しています。
これだけでもペガサス12の可能性を惹き立てるには充分ですが、ダート巧者だった祖母サンドピアリスが芝に転向してG1勝ちをするなど、ベガサス12も馬場を選ばず、高素質馬として才覚をあらわすことでしょう。

黒鹿毛のコンパクトな馬体から四脚がたくましく伸び、牡馬と見間違えるほどダイナミックな筋肉を帯びて、アスリートに不可欠な体幹の強さを示しています。
きりりとしたクール&ビューティーの表情からもわかるように、気持ちで走り、男馬相手でも互角に戦った祖母の面影が色濃く出た産駒だといえるかもしれません。

ファンを熱狂させ、競馬を単なるギャンブルから大衆娯楽へモデルチェンジさせた曾祖父ハイセイコーの偉業。
そしてその娘サンドピアリスのエリザベス女王杯制覇。彼女の孫にあたるペガサス12の登場は、時を超えて名馬の再来になるかもしれないと、胸の高鳴りを抑えきれずにいます。

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プロフィール
上坂由香(エッセイスト)

札幌市生まれ
初めて買った馬券が的中し(ウオッカの日本ダービーで馬単)ビギナーズラックが実在すると身をもって証明。
38歳から乗馬もはじめ馬産地や牧場・乗馬クラブを訪ねては馬と戯れ馬に乗る。
「夜間放牧」と称して飲み歩き知らないおじさんと競馬の話をするのが好き。

第6回Gallopエッセイ大賞受賞
週刊Gallop「競馬の流儀」リレーコラムを連載中
道新オントナWebコラム連載中

JBIS-Searchと競走馬ふるさと案内所とのコラボ企画、競馬女子部として活動中
競馬女子部ブログ→http://girls.jbis.or.jp/

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