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【血統評論家栗山求の勝負目線】荒れ馬場のキーンランドCで狙える馬 

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posted2013/08/23 13:00

【血統評論家栗山求の勝負目線】荒れ馬場のキーンランドCで狙える馬<Number Web>

日本競馬の歴史上、史上最悪レベルの極悪馬場として記憶されているのは、いまから40年前の1973年9月16日に開催された函館競馬。
メインレースの函館3歳Sの勝ちタイムは「1分21秒7」でした。1400m戦ではなく1200m戦です。勝ったサクライワイはのちにスプリンターズSで芝1200mの日本レコードを樹立したほどのスピード馬だったので、レベルが低かったわけではありません。
このときの函館芝コースは、降り続いた雨の影響で、球節まで馬場にめりこむような、ドジョウが獲れても不思議はないという極悪馬場だったといいます。

それに比べれば、先週の札幌記念(G2・芝2000m)はだいぶマシです。
とはいえ、勝ち時計の2分06秒5は、2歳や3歳の限定戦を除き、古馬が出られる芝2000mの重賞では86年以降最も遅い決着でした。相当ひどい馬場だったのは確かです。

今年の北海道シリーズは、札幌競馬場が改修工事のため休止。函館のみの12週連続開催となっています。
6月から7月にかけては天候に恵まれ、むしろ例年よりも馬場が良かったのですが、先週は雨にたたられて一気に馬場コンディションが悪化。
今週、天候が回復したとしても、先週あれだけ芝が傷んでしまったので、やはりパワーを必要とする馬場になることは間違いないでしょう。

したがって、日曜日に行われるキーンランドC(G3・芝1200m)は、基本的には切れ味の牝馬よりもパワーの牡馬、スマートな差し馬よりも力強い先行馬が有利で、血統的にはパワフルかつ重厚なものを選ぶべきです。

そうした前提条件のもとで出走馬を眺めると、魅力的に思えるのはパドトロワ。「切れ味の牝馬よりもパワーの牡馬」と記しましたが、このレースは出走16頭中、牡馬はたった4頭しかいません。
このうちサンカルロとパドトロワは重賞を3勝ずつしているのですが、G3しか勝ったことがないパドトロワに比べ、G2を2勝しているサンカルロのほうが格上です。
ただ、今回は久々の上に59kg、しかも追い込みタイプ。食指が動きません。函館スプリントSのドリームバレンチノ、アイビスサマーダッシュのパドトロワが人気に推されて馬群に沈んだように、スプリント重賞の59kgはいかに実力があっても厳しい条件です。

その点、今回のパドトロワは死角が少ないですね。59kgに殺されて惨敗した前走のアイビスサマーダッシュは参考外の一戦。
今回は2kg減の57kgですから楽々です。力強い先行脚質で、父は力のいる馬場に適性のあるスウェプトオーヴァーボード。走りごろといえるでしょう。
このほか、人気薄で狙っておもしろいのはプリンセスメモリーとマスイデア。いまの函館の馬場に向いているタイプだと思うので、人気薄でもちょっと押さえておきたい馬です。

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プロフィール

栗山求(くりやま・もとむ)
1968年生まれ、高校時代から血統研究にのめり込み、大学在学中の1989年に血統専門誌『週刊競馬通信』を発行する競馬通信社に入社。
編集長を務めたあと1997年に退社し、主に血統をフィールドとするフリーライターとなる。さまざまな雑誌・サイトに寄稿するほか、現在はテレビ・イベント・講演などの出演も精力的にこなす。
2010年に設立した株式会社ミエスクの代表取締役となり、血統・配合の総合競馬サイト「血統屋」を主宰する。
馬主や生産者を顧客とする配合コンサルタントの仕事が年々増えている。

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