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<セ・パの最多安打男が語る> 西岡剛×マートン 「200本超えで見えた新世界」 

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石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

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photograph byYasuyuki Kurose

posted2010/11/17 06:00

<セ・パの最多安打男が語る> 西岡剛×マートン 「200本超えで見えた新世界」<Number Web> photograph by Yasuyuki Kurose
イチローが日本球界に残した200という指標を、今季
新たに二人の打者が超えた。奇しくも、ともにプロ8年目。
“超一流”への階段を彼らは着実に昇り始めている。

 200という数字は16年前、イチローが到達するまで、日本のバッターにはピンとこない数字だった。いや、20歳のイチローが200本のヒットを打ってもなお、それは突風に過ぎないという距離感だったろう。

 それが、変わりつつある。

 イチローはメジャー2年目から、この数字をシーズンの目標として口にし始めた。

『日本では考えられない数字だったかもしれませんが僕は打ちましたし、こちらでは年間に何人も出ているわけですから、そんなにビックリする目標ではないと思っています』

 今や、日本でもその数字は突風ではなくなった。'05年に青木宣親(ヤクルト)が、'07年にアレックス・ラミレス(当時、ヤクルト)が200安打をクリアしたが、今年はなんと一挙、3人がこの数字に到達したからだ。2度目の200安打を達成した青木(209安打)、206本の西岡剛(ロッテ)、そして214本を打ってイチローの記録を破った、マット・マートン(阪神)である。

27度の猛打賞で、イチローの持つプロ野球記録を超えた西岡。

 今季、パ・リーグの最多安打は206本。

 トップバッターとしてチームを牽引した西岡は、レギュラーに定着してから6年目になるが、去年まで、シーズン150本をクリアしたことさえなかった。

「200本を打った打席、1番、西岡ってアナウンスされた瞬間、『ああ、この打席で決めてしまうなぁ』って自分でわかっちゃったんです。ホントなんですよ(笑)。集中して自分の世界に入り込んでいたら、球場がスタンディングオベーションに包まれて、おめでとうって言ってもらう映像がパーンと入ってきたんです。だから僕、この時間を大切にしようと、ピッチャーが構えた瞬間にわざとタイムをとったり、打席で構えるまでの時間をいつもより長くしたりして、雰囲気を味わってました。あれがゾーンに入っていたということなのか……不思議な体験でしたね」

 200安打だけではない。西岡は、打率.346で首位打者も獲得。シーズン27度の1試合3安打以上は、'96年にイチローが記録した26度のプロ野球記録を超えた。

「猛打賞ですか(笑)。そんな記録があるんだって、初めて知りました。でも歴史に名を刻めるわけですから、イチローさんの数字は、超せるものなら超したいと思いましたね」

【次ページ】 小学生の頃から憧れてきたイチローへの想い。

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