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【血統評論家栗山求の勝負目線】札幌記念でチェックしたい三要素、格・血統・夏バテの有無 

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posted2013/08/15 18:20

【血統評論家栗山求の勝負目線】札幌記念でチェックしたい三要素、格・血統・夏バテの有無<Number Web>

昼下がり、外出するために玄関のドアを開けると、全身が“ムワッ”という熱気に包まれます。観測史上かつてない昨今の猛暑は、ただ温度が高いだけでなく、胸苦しい圧迫感を伴う強烈なものです。
眠れない、だるい、食欲がない、といった症状は、多かれ少なかれ誰もが感じるものでしょう。もちろん、サラブレッドにとっても影響は甚大です。もともと北海道の冷涼な気候で生まれ育ち、暑さよりも寒さに対する耐性が強い動物です。ただでさえ夏の暑さを苦手としているのに、これほどの猛暑となれば、体調維持は難しい問題といえるでしょう。馬券を買う前に、パドック映像などで夏負けしていないかどうか、必ず確認しておきたいところです。目の周りにクマができていたり、牡の場合は陰嚢が垂れ下がっていたり、異常な発汗が見られたり、前走から大幅に馬体重を減らしていたり、といった馬は要注意です。牝馬のほうが暑さに対する耐性は強いといわれています。
今年に限らず日本は夏の暑さが厳しいため、夏にビッグレースは組まれていません。夏競馬はトップクラスの有力馬にとって休息の時期です。一方、ヨーロッパは、夏の暑さがさほどではなく、平地競馬のシーズンが春から秋までと短いため、トップクラスの有力馬であっても夏を完全休養に充てる習慣はなく、7月、8月もビッグレースが目白押しです。
日本で唯一、ヨーロッパ型の夏季ビッグレースといえるのが今週末に行われる札幌記念。7、8月に組まれたJRAの平地重賞は16レースありますが、そのうち15レースはG3です。札幌記念は唯一のG2で、この時期に組まれた他の重賞よりワンランク上の競走です。97年にG3からG2に昇格し、その年から女傑エアグルーヴが2連覇。その後も多くの一流馬がここを使って秋のビッグレースに臨みました。
今年は、皐月賞馬ロゴタイプ、一昨年の覇者で天皇賞・秋を勝ったトーセンジョーダン、重賞2連勝のトウケイヘイローなど、豪華メンバーが揃いました。
格の高いレースでは、それにふさわしい格を備えているかどうかが重要になります。過去5年間の連対馬10頭のうち、9頭は重賞2勝(牝馬の場合は3勝)またはG1での連対実績がありました。また、過去5年間の連対馬10頭のうち、9頭は過去3走以内に少なくとも一度は馬券になっていました。これで絞り込みをかけると以下の6頭が生き残ります。

・アイムユアーズ
・トーセンジョーダン
・トウケイヘイロー
・ホエールキャプチャ
・マルセリーナ
・ロゴタイプ

今年は札幌競馬場が改修工事のため、夏の北海道シリーズはすべて函館競馬場で行われています。例年に比べて天気が良好だったため時計が出やすい馬場状態で行われていたのですが、先週は雨の影響で時計が掛かり、力のいる洋芝らしい馬場コンディションでした。今週末の天候は分かりませんが、先週の土日で馬場が踏み荒らされ、パワーを要するコンディションになるのではないかと思います。
馬力でガンガン押すパワータイプを狙うべきでしょう。ロベルト、サドラーズウェルズ、ダンジグ、ニジンスキーを持つ馬がよく、トニービンやノーザンテーストも頼りになります。これに当てはまる馬は以下の4頭。

・アイムユアーズ
・トーセンジョーダン
・トウケイヘイロー
・ロゴタイプ

人気どころではありますが、やはりこのあたりが中心となるレースとみて間違いないでしょう。北海道は本州ほどの猛暑ではありませんが、パドックで夏バテしていないかどうか、各馬の様子をしっかりチェックしてから馬券を買いたいものです。

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プロフィール

栗山求(くりやま・もとむ)
1968年生まれ、高校時代から血統研究にのめり込み、大学在学中の1989年に血統専門誌『週刊競馬通信』を発行する競馬通信社に入社。
編集長を務めたあと1997年に退社し、主に血統をフィールドとするフリーライターとなる。さまざまな雑誌・サイトに寄稿するほか、現在はテレビ・イベント・講演などの出演も精力的にこなす。
2010年に設立した株式会社ミエスクの代表取締役となり、血統・配合の総合競馬サイト「血統屋」を主宰する。
馬主や生産者を顧客とする配合コンサルタントの仕事が年々増えている。

ブログ→http://kuriyama.miesque.com/(毎日更新中)
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栗山求 Official Website→http://www.miesque.com/motomu/

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