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【血統評論家栗山求の勝負目線】中京記念との関係で関屋記念を考察 

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posted2013/08/09 15:15

【血統評論家栗山求の勝負目線】中京記念との関係で関屋記念を考察<Number Web>

昨年から夏のマイル路線に大きな変動があったことを知る人は案外少ないのではないかと思います。
一昨年まで春開催の芝2000m戦として行われてきた中京記念が、昨年から夏開催に移動してきました。同時期に行われる芝2000mのローカル重賞には函館記念、小倉記念があり、すでに飽和状態です。
そのため、距離を2ハロン短縮し、マイル戦に生まれ変わりました。
つまり、米子S→中京記念→関屋記念→京成杯オータムHという夏のマイル路線が形成されたのです。
中京記念、関屋記念、京成杯オータムHの3レースについては、JRAが「サマーマイルシリーズ」と称してパッケージ化しています。
昨年の関屋記念は18頭立てで行われ、そのうち7頭が中京記念からの参戦でした。半数近くが中京組なのですから、中京記念が移動してくる以前のデータはあまり参考になりません。
中京記念から参戦してきた馬たちが関屋記念でどんな成績を残したかを以下に示してみます。

           中京  関屋
ゴールスキー      5   5
エアラフォン      6  18
ドリームカトラス    8  10
オセアニアボス     9  11
チャームポット    13  15
エーシンリターンズ  14   2
レッツゴーキリシマ  16  17

7頭中、中京記念より着順を落とした馬が5頭、同着順が1頭、着順を上げた馬が1頭です。体力の消耗しやすい真夏に全国を転戦するのはハードなのか、着順を落とす馬が目立ちます。
すべてのレースを好走するのはよほどの名マイラーでなければ難しく、そんな馬が夏のローカルG3に出てくるはずもないので、通常は体調の波によって好走したり凡走するものです。
昨年の関屋記念で2着と好走したエーシンリターンズはその典型です。中京記念で14着と敗れた原因は馬体重が「24kg増」だったこと。調整過程で何か誤算があったのでしょう。続く関屋記念では馬体重が絞れ、本来のエーシンリターンズに戻って2着と好走しました。
中京記念14着のあと休養することなく続戦を選択したのは、敗因が明らかで、なおかつダメージがないと判断されたからでしょう。

逆に、中京記念で6着と好走したエアラフォンは、関屋記念では前年2着の実績が評価されて2番人気に推されたのですが、しんがりの18着に大敗しました。
関屋記念で「14kg増」と太目が残っていたのが原因です。夏競馬は馬体重の変化に要注意です。
着順はデリケートな理由で大きく変動するものですが、人気はその時点の能力の評価なので、実力の判断基準として信頼できます。
エーシンリターンズは中京記念で4番人気でした。そして、その前走のメイSを勝っています。
つまり、「前々走で馬券になり、中京記念で上位人気(目安として5番人気以内)に推された馬」が好走しやすいのではないか、と推理できます。
今年、このパターンに当てはまるのは1頭しかいません。

・ランリョウオー

中京記念は1番人気で10着と敗れ、前々走のフリーウェイSを勝っています。
ただ、フリーウェイSは準OPだったので、まだ“格”という面で全面的に信頼できるわけではありません。

・ドナウブルー
・シャイニーホーク
・ワイズリー

この3頭は「前々走で馬券になり、中京記念で上位人気(目安として5番人気以内)に推された馬」という条件を完全に満たすものではないものの、それに準ずる成績を残しています。
とくにドナウブルーは、中京記念で2番人気(4着)、その前走ヴィクトリアマイルは5着でした。ヴィクトリアでは馬券になっていないものの、G1ですから合格点といえます。
いうまでもなく昨年の覇者であり、昨年と同じ54kgの斤量。しかも、父ディープインパクトは新潟芝1600mで20走以上した種牡馬のなかでは最も高い連対率を誇ります(27.1%)。
今回、おそらく1~2人気に推されるはずですが、馬体重に大きな変動がないかぎり、人気でも押さえなければいけない馬でしょう。

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プロフィール

栗山求(くりやま・もとむ)
1968年生まれ、高校時代から血統研究にのめり込み、大学在学中の1989年に血統専門誌『週刊競馬通信』を発行する競馬通信社に入社。
編集長を務めたあと1997年に退社し、主に血統をフィールドとするフリーライターとなる。さまざまな雑誌・サイトに寄稿するほか、現在はテレビ・イベント・講演などの出演も精力的にこなす。
2010年に設立した株式会社ミエスクの代表取締役となり、血統・配合の総合競馬サイト「血統屋」を主宰する。
馬主や生産者を顧客とする配合コンサルタントの仕事が年々増えている。

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