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ドジャースの逆襲と記録の中断。
~敵地15連勝の“価値”~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2013/08/11 08:02

ドジャースの逆襲と記録の中断。~敵地15連勝の“価値”~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

ドジャースの逆襲を牽引するエースのカーショー。今季はここまで24試合に登板し、防御率は1.91と抜群の安定感を誇る(8月7日現在)。

 ドジャースのロード連勝記録が15で止まった。2013年8月6日、敵地セントルイスでエースのクレイトン・カーショーが2失点を喫し、1対5とカーディナルスに敗れてしまったのだ。

 16連勝までは行く、と私は考えていた。むしろ危ないのは、17連勝目に当たる7日の第3戦、リッキー・ノラスコ(ドジャース)とシェルビー・ミラー(カーディナルス)が先発する試合ではないか、と思ったのだ。

 が、挫折は、意外に早くやってきた。まあ、カーショーで負けたのだから、ベンチやファンもあきらめがつくだろう。「敵地15連勝」は史上3番目の立派な記録だった。

 歴史を振り返ってみると、ロードでの連勝記録(単年)は17が最多だ。記録したのは、1916年のニューヨーク・ジャイアンツと'84年のデトロイト・タイガース。タイガースは'83年の9月18日から敵地での連勝をスタートさせているから、2年間にまたがってよければ21連勝という史上最長単独記録が浮上することになる。

ロード連勝記録はシーズンの成績に直結するか。

 その下を見ると、16連勝を記録したチームはひとつもなく、15連勝(単年)を記録したチームが5つある。古い順に並べておこう。

 1939年のレッドソックス。

 1951年のホワイトソックス。

 1953年のヤンキース。

 1957年のレッズ。

 2013年のドジャース。

(イチローが加わった直後のマリナーズも、'01年9月から'02年4月にかけて敵地15連勝を記録している)

 このうち、ワールドシリーズを制覇したのは'53年のヤンキースと'84年のタイガースである(敵地13連勝を果たした'47年のヤンキースも、シリーズを制覇している)。

 逆に、'16年のジャイアンツは86勝66敗(ナ・リーグ4位)、'51年のホワイトソックスは81勝73敗(ア・リーグ4位)、'57年のレッズは80勝74敗(ナ・リーグ4位)と、それぞれ凡庸な結果に終わっている。

 こういう数字を見ると、「どんな勝ちでも1勝は1勝」という格言の正しさを思い知らされる。同時に、長丁場のペナントレースは、好不調の波に左右されていては乗り切れないという事実にも行き当たる。実際、'16年のジャイアンツなどは、開幕直後の2勝13敗という大不振が、最後の最後まで尾を引くことになった。

【次ページ】 今季のドジャースは、ペナント争いに残る。

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