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今なお止まらない薬物スキャンダル。
~陸上界での蔓延が象徴する危機~ 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2013/08/09 06:00

今なお止まらない薬物スキャンダル。~陸上界での蔓延が象徴する危機~<Number Web> photograph by AFLO

「暗い話題を吹き飛ばす走りをしたい」と世界大会への抱負を語る世界記録保持者ボルト。

 陸上の世界選手権が8月10日に始まる。華やかなはずの大会は、しかし、重苦しい空気の中、開幕を迎えようとしている。

 陸上界が揺れたのは7月14日のことだ。タイソン・ゲイ(アメリカ)、アサファ・パウエル(ジャマイカ)らがドーピング検査に陽性反応を示したのだ。故意か過失か判明していないが、ビッグネームが相次いだ衝撃は大きかった。それだけに広く報じられることになったが、実はドーピングの発覚は枚挙にいとまがない。

 昨年のロンドン五輪では女子砲丸投げの選手が金メダル剥奪となり、今年6月には五輪金メダルを3つ保持するベロニカ・キャンベルブラウン(ジャマイカ)が、同月の欧州選手権でも8名の選手が陽性反応を示した。しかも、近年、より多くの国々の選手に、そして若い世代に蔓延している傾向がうかがえることも憂慮を深める。

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