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どのシリーズにも属さない、新しいプジョーが登場。~2ドアクーペ「プジョーRCZ」~ 

text by

高成浩

高成浩Seikoh Coe(POW-DER)

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photograph bySports Graphic Number

posted2010/11/06 08:00

どのシリーズにも属さない、新しいプジョーが登場。~2ドアクーペ「プジョーRCZ」~<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

 次世代のデザインとスポーティな走りが高次元で融合した2ドアクーペ、「プジョーRCZ」がデビューした。

 プジョーはこれまでずっと車名にこだわり、3桁、もしくは4桁の数字を使ってきた。百の位の数字がボディの大きさを、一の位の数字がそのモデルの世代を表わしている。しかし、この車はそんなネーミングルールから初めて脱却。新しいものを造り出したこの車への想いがうかがえる。

 特筆すべきポイントは、強烈なインパクトを放つデザインだ。基本となる骨格を共有する308シリーズの寸法を、極端なまでに広く、かつ低くデフォルメした。大きく盛り上がった前後のフェンダー。そしてルーフに美しい曲線を描くアルミナムアーチ。その間で力強く隆起するダブルバブルルーフ。この3つの象徴的なデザインが疾走感を強調する。

ついついコーナーでのスピードが上がってしまう走行性能。

 そんな外観のイメージと、プジョーが誇る先進のメカニズムがひとつになった。

 1.6リッターDOHCツインスクロールターボ・エンジンは排気圧力を2系統に分けて効率良くタービンを駆動することで、豊かなパワーと滑らかな出力特性を実現。

 また、新開発の6速ATは、プロドライバーなみの素早いシフトチェンジを可能にする。さらに、速度領域に応じて角度が変化するリアスポイラーが高速域での安定感を増加させる。実際、走り出してみると、RCZはすこぶる速い。スムーズな出足とクイックな操舵性、そしてしなやかな足まわりのおかげで、ついついコーナーでのスピードが上がってしまう。

 デザイン、エンジンと細部までこだわった車なだけに、1日あたりの生産台数が数十台と希少性も極めて高い。創業200周年と節目を迎えたプジョー。その新しい走りと、可能性を十分に堪能できる。何より、バランスの良さが、車との一体感をより感じさせる一台だ。

PEUGEOT RCZ

4290×1845×1360mm。156馬力、6速AT、右ハンドル仕様(399万円/税込)と、200馬力、6速MT、左ハンドル仕様(423万円/税込)の2タイプ。6速MTは走りと音をより高めたモデルだ。

(問)プジョーコール  (電話)0120-840-240

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