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18歳、驚異のアマチュア
松山英樹の3D感覚。
~日本人アマ初マスターズ出場へ~ 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byTaku Miyamoto

posted2010/11/06 08:00

18歳、驚異のアマチュア松山英樹の3D感覚。~日本人アマ初マスターズ出場へ~<Number Web> photograph by Taku Miyamoto

日本オープン83年ぶりのアマチュア優勝こそならなかったが、随所で大器の片鱗を見せた

「なんか不思議な感覚ですね」と石川遼が口にしたのは、日本オープン初日のラウンド後だった。この日の石川の同伴競技者は、18歳のアマチュア選手、松山英樹(東北福祉大1年)。

 彼は、その前週、霞ヶ関CCで開催されたアジア・アマチュア選手権で優勝し、アマとしては日本人で初めてマスターズ出場権を獲得した選手である。

 石川が「不思議」と言ったのは、ツアーの大会では、戦う相手のほとんどが自分よりも年長者だからである。今回の日本オープンでは、松山を始め、石川よりも若いアマチュア選手が6名もいた。そこで甘いプレーはできないという複雑な心境だったに違いない。

 石川と予選2日間を一緒にまわった松山は3位で予選を通過。決勝ラウンドでも首位に3打差の通算10アンダー、3位タイでフィニッシュした。

 そのプレーぶりを目のあたりにして、石川は素直に驚いたという。

「プロの舞台でどうかと楽しみにしてたけど、すごく良いものを見せてもらった。頑張らないといけないなって引っ張ってもらった感じです。こんな気持ちにはなったことないですね。同世代の選手が増えて楽しくなってきたというか……。それにしても、(初日)1番のティショットには度肝を抜かれました」

空中をフル活用し、立体感をもった攻め方をする石川世代。

 前回のコラムでも触れたが、今の10代から20歳前後の選手は、25歳以上の選手たちと大きな違いがある。

 それは、プレッシャーの受け止め方だ。彼らは大舞台でも緊張感が、あまりない。例えば、狭いフェアウエイと深いラフ。中堅やベテラン選手であれば、安全に攻めようとコントロールするティショットでも、若い選手は、実に思い切りよくフルスイングで攻める。「ボールが多少曲がっても、高い弾道でグリーンの上から落として止められる」(松山)という発想なのだ。たとえて言うなら、3Dゲームの感覚。空中をフルに活用し、立体感をもった攻め方をする。

 高い木を避けるために、スライスやフックをかけるケースでも、彼らは、軽々と真っすぐに木の上を越して狙う。

 21世紀の道具の進化の恩恵を受けて育った石川遼世代。彼らが生み出すダイナミックなプレーは、これまでのゴルフの常識を変えようとしている。

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