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安藤美姫の険しき前途。
ソチ出場へ満たすべき条件とは。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

PROFILE

photograph byAFLO

posted2013/08/03 08:00

5月に復帰したばかりだが、12日の公演で3回転サルコウを決めた。

5月に復帰したばかりだが、12日の公演で3回転サルコウを決めた。

「頑張って!」

 7月12日に始まった「プリンスアイスワールド」東京公演。初日の昼の部、安藤美姫の「アメージング・グレース」に、声援が飛んだ。場内の空気は、出産して一児の母となり、同時にオリンピックを目指す、安藤の選択を後押しするかのようだった。

 だが、その道のりは決してやさしいものではない。

 ソチ五輪の出場枠は3。代表選考基準は、(1)全日本選手権優勝者。(2)全日本2、3位の選手とグランプリ(GP)ファイナルの日本人表彰台最上位者から1名を選考。(3)右の選考から漏れた選手と全日本選手権終了時点での世界ランキング日本上位3名、国際スケート連盟(ISU)シーズンベストスコアの日本上位3名の中から最後の1名を選ぶ、となっている。ただし、怪我などで全日本選手権を欠場した選手はそれまでの成績にかかわらず選考対象外となる。

まずは全日本選手権と五輪の出場資格の獲得が必要。

 安藤は昨年度休養し、今シーズンもGPに出場する予定はないため世界ランキングとシーズンスコアの要素では他の選手と争えない。年末の全日本選手権にすべてを懸けることになる。そのためには、10月中旬の関東選手権、11月初旬の東日本選手権で上位に入り、全日本に出る権利を得なければならない。

 オリンピックの出場資格も取っておく必要がある。ISU公認の国際大会で定められた技術要素点をクリアすることがそれだが、日本スケート連盟の強化選手ではない安藤は、現段階で国際大会への派遣予定がない。連盟は関東選手権で出来を見極め強化指定するとしているが、復帰できれば、全日本選手権前の11月中旬から12月初旬に行なわれる国際B級大会のどこかでISUの設定以上の得点を出すことが求められる。

 こうした過程を経て全日本選手権に進むことになる。代表入りの鍵は当然、どこまで滑りを取り戻すことができるかである。出産後のアイスショーでは、練習を重ねてきた一定の成果は示している。だが、出産以上に、昨秋から今春まで練習ができなかったブランクの影響は決して小さくはない。

<次ページへ続く>

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