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出るか、“第2の大野均”!
TLが初の合同選考会開催。
~日本ラグビーの埋もれた逸材探し~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byNobuhiko Otomo

posted2013/08/02 06:00

出るか、“第2の大野均”!TLが初の合同選考会開催。~日本ラグビーの埋もれた逸材探し~<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

 東福岡高校1年で花園の全国高校ラグビー優勝。ポジションは司令塔のSO。高3では史上最強と謳われたチームで5試合274得点という史上最多記録となる猛攻のタクトを振った。加藤俊介は同世代のトップランナーだった。

 7月10日、炎暑の東京・辰巳で行なわれた「第1回トップリーグ合同選考会」。「トップリーグに行った先輩に連絡したりしたんですが、身体が小さい選手にはどこも興味がないみたいで。そんなときにこの機会があると知って、通用するかどうか、エントリーしました」という加藤は、85人の無名戦士の一人としてピッチを駆け、初対面のチームメートに鮮やかなパスを送り、美しいキックを決めた。

 卓越したアタックセンスで、法大1年でも開幕戦に先発した加藤だが、そのデビュー戦でケガ。法大自体も不振が続き、身長170cmの天才SOは、トップリーグのスカウトの目に触れる機会もないまま、大学4年の夏を迎えていたのだ。

「一般の就活もしているけど、やっぱり上のレベルでラグビーしたいですから」

オーストラリアや東北から……様々な経歴の選手がチャレンジ。

 この合同選考会は、トップリーグの16社など19社が共同で企画した。スプリントやフィットネスの測定と、30分ハーフ×4試合の実戦テストに汗を流した85選手中、最も遠くから駆けつけたのはオーストラリアのビクトリア大に学ぶSH山田啓介。堀江翔太が所属するレベルズの育成部門で試合に出場した経験もあり、個性的かつ強気なプレーが目を引いた。

 国立大からも3人が参加。その1人、東北大のCTB石岡剛宗は「少しでも可能性があるならチャレンジしたかった。もしダメでも、僕みたいなヤツでも挑戦したことが、後輩たちへのメッセージになると思ったし」と汗を拭った。

 東北大が所属する東北リーグは、日本代表のFW最多キャップを更新し続けるLO大野均(日大工学部卒)を送り出した。大野は大学でラグビーを始めた「ど素人」(本人)ながら身長を見込まれ福島選抜に呼ばれた際、チームに東芝の薫田真広コーチ(当時)と筑波大で同期だった人物がいたことで運命が変わった。身長、センス、あるいは思い込み……何か突出した武器を持った、埋もれた才能は、きっとこれからもいるはずだ。

 炎暑の中、未来を掴み取った若者と、檜舞台でまた会えることを願っている。

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