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鍵を握る2人の伏兵。
結末は最終決戦へ。
~F1ブラジルGP、波乱の予感~ 

text by

今宮純

今宮純Jun Imamiya

PROFILE

photograph byHiroshi Kaneko

posted2010/11/04 06:00

昨季は負傷によって母国ブラジルGPを断念。伏兵のひとりマッサが優勝戦線をかき乱すか

昨季は負傷によって母国ブラジルGPを断念。伏兵のひとりマッサが優勝戦線をかき乱すか

 3月14日にバーレーンGPで開幕した'10年シーズンは、11月14日のアブダビGPで大団円を迎える。8カ月の激闘が中東で始まって中東で終わるとは隔世の感がある。過去を遡ると、鈴鹿・日本GPが初開催された'87年の最終戦が11月15日オーストラリアGPで、さらに遅い閉幕は'62年12月29日南アGP、クリスマス後の最終戦でタイトルが決した。

 初開催となった韓国GPでアジア遠征ツアーを終えたメンバーは、一度ヨーロッパに戻ってから11月7日ブラジルGPと14日アブダビGPの2連戦へと向かう。昨年は中1週だったが、今年は南米から中東まで中3日で移動。60周年シーズンの最後に最も過酷なスケジュールが待ち構えている。最後まで「5人対決」が進むか。皆に優勝25点×2レース=50ポイントの可能性がある一方、11位以下のノーポイントはサドンデスを意味する。

ブラジルGPで注目したいF・マッサとR・クビサ。

 今季これまで、序盤4戦では勝者が予選3位以下から生まれていた。だが、第5戦スペインGP以降はPPが7勝、予選2位が5勝と“勝利への方程式”が確立され、フロントローを獲得しなければ勝ち目はない。この条件を後半8戦にあてはめると、S・ベッテルがPP5回と予選2位1回でM・ウェバーのPP1回と同4回を上回る。またF・アロンソはPP2回と同1回で少ないが、すべて勝利に結びつけていて勝負強さが際立つ。

 ブラジルGPで注目したいのは伏兵の2人だ。母国GPに臨むF・マッサは'06年、'08年に勝利し、上位陣に割り込む可能性がある。アロンソへの援護射撃はチームのため自分のためでもある。もうひとりR・クビサも、昨年BMWザウバーで2位に食い込み、バンピーな路面、雨の混乱での強さを示した。タイトルへのプレッシャーがまったくない彼らは、積極的に攻撃へと打って出られる。

 最終戦アブダビGPはシンガポールにやや似たコース特性で、直角コーナーが6つ、シケインが3つあり、ストレート3本の距離は1周の45%に達する。昨年、両GPで最速PPだったのはハミルトンだが、ここまで相性がいいマクラーレン勢が対決圏内にいるかどうか。仮に脱落していたとしても、最終決戦に臨むライバルたちからポイントをもぎ取る抵抗を見せるか。第19章のストーリーには驚くべき結末があるような気がしてならない。

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