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<HONDA Method> ソルティーロが本田圭佑を超える日 連載第6回 「勝負にこだわれ」 

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榎森亮太

榎森亮太Ryota Emori

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photograph byHONDA ESTILO

posted2013/08/06 06:00

コンフェデ杯で敗退し、ブラジルから帰国した直後の本田が清瀬校を訪れた。
戦いを終えたばかりの彼は、子供たちと触れ合い、どんな言葉を残したのか。

 コンフェデ杯での日本代表は、残念ながら1次リーグで1勝も出来ずに敗退してしまいました。優勝を狙うと公言していた本田圭佑にとって、その悔しさは半端ではないはずです。

 ところが、メキシコ戦の直後、ブラジルからかかってきた電話では、意外にサバサバした声でこう伝えられました。

「エモ、清瀬に行くことにしたから。段取りを決めておいて」

 僕もあえてコンフェデのことは話題にせず、「わかった、任せておいて。ありがとう」と短く答えただけです。

 そこから大急ぎで本田の清瀬校来校の準備を整えました。清瀬文化スポーツ事業団と交渉し、スタッフの配置やスケジュールの確認などを済ませ、ソルティーロ清瀬校のスクール生全員に告知をする。

来校した本田の感想は「めっちゃ巧い子が多いやん!」。

榎森亮太 Ryota Emori
1985年生まれ。プロを目指してドイツ下部リーグでプレーしていた時に、フェンロの本田圭佑と出会う。その後、専属マネージャーを経て「ソルティーロ」事業責任者に就任。

 本田の電話を受けてからわずか4日間しかありませんでしたが、6月27日、全48名のスクール生が集まってくれました。本田も約束通り来校して、2時間ほど子供たちとボールを蹴り、全員のサインに応じ、記念撮影を行ないました。

 この日は本田が“教える”というよりは、ゲーム形式の練習を多く取り入れ、子供たちと“触れ合う”機会を増やしました。その中で本田は、他のコーチ陣同様に、気がついたことを子供たちに伝えていたようです。

 一緒にボールを蹴った本田の感想は「めっちゃ巧い子が多いやん!」。

 ソルティーロではボール扱いはもちろんですが、ステップワークを重視しています。

 ダッシュから反転してバックステップ、ラダートレーニング(縄梯子のような器具を地面に敷いて、1つ1つのマスをステップする)などで敏捷性や身体の調整・バランス能力を磨くことは、幼い頃から習慣付けておいた方がいい。これは、本田自身が最も大事な要素の一つと考えていることです。

 でも、それ以上に大切なことがあります。

<次ページへ続く>

【次ページ】 「勝負にこだわれ。内容が良くても負けたら意味がない」

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