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神様との隔たり。
~ジョーダンが大舞台で残した実績~ 

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小川勝

小川勝Masaru Ogawa

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photograph byGetty Images

posted2013/07/27 08:00

神様との隔たり。~ジョーダンが大舞台で残した実績~<Number Web> photograph by Getty Images

レブロン・ジェームズはNBAファイナル第7戦で37得点を挙げたが、これは第7戦の歴代最多記録に並ぶ数字だ。

 NBAファイナルは歴史に残る激闘の末、4勝3敗でマイアミ・ヒートの2連覇となった。サンアントニオ・スパーズは、王手をかけた第6戦の残り30秒を切ってから、2度にわたってフリースロー2本のうち1本を外す痛恨のミス。このどちらかが入っていれば勝利はほぼ確実だった。ヒートは残り5.2秒で追いついて延長戦勝利。第7戦も残り2分で2点差という接戦を勝利した。

 ファイナルMVPは昨年に続いてレブロン・ジェームズ。「キング」と呼ばれ、18歳で1巡目1番目指名を受け、NBA入りして10年。28歳で2度目の優勝を果たした。

 3年前、彼がヒートに移籍してきた時の興味の的は、何回優勝できるかということだった。3年で2回だから、まずは順調だ。

 なぜ優勝回数が問題になるのか。それはマイケル・ジョーダンが6回も優勝しているからだ。ジョーダン以降のNBAでは、いかなるスター選手も、ジョーダンとの比較において語る時、この優勝回数を抜きに語ることはできない。ファイナルを含むプレーオフで人々をあっと言わせない限り、ジョーダンとの比較を語ることはできないのである。

優勝回数で並んでも、ジョーダン級の成績を残すのは至難の業。

 コービー・ブライアントも、まさにこの点において、ジョーダンの後を追っている。すでに優勝5回。あと1回で追いつくが、レイカーズは今季、大型補強を行なったものの西地区7位に終わってプレーオフは1回戦で敗退。ブライアントはプレーオフ前の4月12日、左アキレス腱を断裂して離脱してしまった。来季は復帰する見込みだが、あと1回の優勝を果たすには、結果の出なかったスター軍団をどうリードしていくのか、課題は多い。

 ジョーダンがブルズで初めて優勝した時、現在のジェームズと同じ28歳だった。ジェームズも6回の優勝を果たす可能性はあるかも知れない。だが、仮に優勝回数で並ぶことができたとしても、プレーオフでの成績を見ていくと、ジョーダンに匹敵する内容を残すことは、まったく容易ではないことが分かる。

 別表は、ジョーダン、ブライアント、ジェームズの3人が、それぞれ優勝したシーズンでのプレーオフ、ファイナルの通算成績(1試合平均)をまとめたものだ。

●ジョーダン、ブライアント、ジェームズ 優勝したシーズンのプレーオフ個人成績
  試合 試合時間 得点 成功率 アシスト R ブロック スチール TO
 FG FT
M・ジョーダン
(ブルズ)
'91 17 40.5分 31.1 52% 85% 8.4 6.4 1.4 2.4 2.5
'92 22 41.8分 34.5 50% 86% 5.8 6.2 0.7 2.0 3.7
'93 19 41.2分 35.1 48% 81% 6.0 6.7 0.9 2.1 2.4
'96 18 40.7分 30.7 46% 82% 4.1 4.9 0.3 1.8 2.3
'97 19 42.3分 31.1 46% 83% 4.8 7.9 0.9 1.6 2.6
'98 21 41.5分 32.4 46% 81% 3.5 5.1 0.6 1.5 2.1
K・ブライアント
(レイカーズ)
'00 22 39.0分 21.1 44% 75% 4.4 4.5 1.5 1.5 2.5
'01 16 43.4分 29.4 47% 82% 6.1 7.3 0.8 1.6 3.2
'02 19 43.8分 26.6 43% 76% 4.6 5.8 0.9 1.4 2.8
'09 23 40.9分 30.2 46% 88% 5.5 5.3 0.9 1.7 2.6
'10 23 40.1分 29.2 46% 84% 5.5 6.0 0.7 1.3 3.4
L・ジェームズ
(ヒート)
'12 23 42.7分 30.3 50% 74% 5.6 9.7 0.7 1.9 3.5
'13 23 41.7分 25.9 49% 78% 6.6 8.4 0.8 1.8 3.0
※太字の年はファイナルMVP。
FG=フィールドゴール、FT=フリースロー、R=リバウンド、TO=ターンオーバー

 ジョーダンは優勝した6年で、平均得点は最高35.1得点、最低でも30.7得点。シュートの成功率はフィールドゴールが最高52%、最低46%。フリースローは最高86%、最低81%。これはブライアント、ジェームズを全体的に上回っている(別表参照)。

【次ページ】 コービー、レブロンと大きく差がついたのは……?

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