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ブラジルでのW杯開催は、
南ア以上に問題が山積み?
~サッカー王国、インフラに難あり~ 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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photograph byAtsushi Kondo

posted2013/07/16 06:01

ブラジルでのW杯開催は、南ア以上に問題が山積み?~サッカー王国、インフラに難あり~<Number Web> photograph by Atsushi Kondo

 4年前、相当な不安と恐怖を抱えてヨハネスブルクに降り立ったことが、今となっては懐かしい。

 翌年に迫ったワールドカップを前に、犯罪発生率の高さやスタジアム建設の遅れなど、その開催能力を疑問視する声ばかりが聞こえてくる南アフリカだが、実際のところはどうなのか。当時はコンフェデレーションズカップの取材以上に、それを確認することが最大の目的だった。

 結果を言えば、移動を含めて危険を感じることもなく、現地滞在中は快適に過ごすことができた。事前に悪評ばかりを吹き込まれていたせいもあるが、概ね好印象を受けたのは間違いない。

 翻って、今年のブラジルである。

 そもそもサッカー文化の浸透度は世界一高いうえに、経済的にも中国などと並び、飛躍的な成長を遂げている国である。リオデジャネイロに降り立つに際し、あらゆる意味での不安は4年前とは比較にならないほど小さかった。

英語が通じず、スタジアム建設は遅れ、会場周辺は大渋滞……。

 ところが、だ。まず直面したのは、言葉の問題である。街の商店はもちろん、空港やホテルでさえ英語が通じないことが珍しくない。加えて空港の自動チェックイン機やATMまでもが、ポルトガル語対応のみというケースもあった。

 スタジアム建設にしても、とても順調に進行しているとは思えなかった。特に酷かったのは、日本がイタリアと試合を行なったレシフェの会場である。テレビに映るスタンド部分は問題なかったが、一歩内部に足を踏み入れると、まるで建設現場を視察しているかのようだった。

 さらには、インフラの整備も十分とは言えず、試合終了後の会場周辺は激しい渋滞が発生。また、各都市間の移動は飛行機に頼らざるを得ないが、地方都市はもちろん、サンパウロやリオの空港でさえワールドカップを開くには(職員の実務レベルも含め)あまりに心もとない施設で、何をするにも大行列を覚悟しなくてはならなかった。

 ワールドカップまであと1年。実のところ、開催がかなり不安視された前回の南アフリカ以上に心配の種は多い。それがブラジルで約2週間の取材をしてみた率直な感想である。

 各地で起きた開催反対の大規模デモが話題となっていたが、もっと基本的な問題が数多く残されているように思う。

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