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トーリ勇退で、早くも
風雲急を告げる監督人事。
~異例のMLBストーブリーグ~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2010/09/30 06:00

トーリ勇退で、早くも風雲急を告げる監督人事。~異例のMLBストーブリーグ~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 名将ジョー・トーリが、公式戦終了を待たずして、今季限りでドジャースのユニホームを脱ぐことを表明した。と同時に、後任としてヤンキース時代からの腹心でもあるドン・マッティングリー打撃コーチの新監督就任を発表した。今季で契約切れとなるトーリの進退は、これまでも再三話題に上がっていた。昨年来、共同オーナーでもあるマッコート夫妻の離婚訴訟で資金繰りが滞り、開幕前には目立った補強も行なわず、チームは低迷。9月に入り、プレーオフ進出が絶望的となったことでトーリは決断した。

 ただ、名監督のストーリーは、まだ終わっていない。トーリは「ドジャースの監督からリタイアする」と発表したものの、野球界から引退するとは言わず、「まだやれると思う」と本音を漏らした。現時点では、ドジャースに残り、アドバイザー的なポストに就くと言われているが、米球界では、また一人大物の「FA監督」が増えたと解釈されている。

契約切れの日本人メジャーなどにも影響が。

 このトーリの去就に伴い、今オフのメジャー監督人事は俄然、風雲急を告げる展開となってきた。シーズン前にブレーブスのコックスが今季限りで退任することを明かしたほか、カブスのルー・ピネラも今季途中で退任。このほか、マリナーズ、ロイヤルズ、ダイヤモンドバックスなど、来季の監督人事が未定のチームにも影響を及ぼすことが確実となった。既に、米メディアの中では、ヤンキースのジョー・ジラルディが古巣のカブスで指揮を執るとの噂をはじめ、トーリのヤンキース復帰説まで、早くも監督枠のパズル探しが始まった。

 例年、オフの焦点と言えば、大物FA選手の動向だった。だが、今オフは、各チームとも監督人事を最優先にせざるを得ない。例えば、カージナルスの場合、退任も囁かれるトニー・ラルーサの去就が、主砲アルバート・プホルスのFA残留交渉に直結する。つまり、パズルの大きなピースの監督が決まらない限り、細かいピースの戦力補強には着手できない。これらは、契約切れの日本人メジャー、さらにはポスティングなどで米国移籍を目指す日本人選手の動きにも関連する。

 トーリの勇退によって早くも着火した今オフのストーブリーグ。各チームは、来春までにどんなパズルを完成させるのだろうか。

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