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交流戦優勝の立役者は、
3年目の剛腕・千賀滉大。
~ソフトバンクの新・中継ぎエース~ 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

PROFILE

photograph byKYODO

posted2013/06/29 08:00

開幕当初の敗戦処理から結果を残し、首脳陣の信頼を掴んで中継ぎの大黒柱へと成長した。

開幕当初の敗戦処理から結果を残し、首脳陣の信頼を掴んで中継ぎの大黒柱へと成長した。

 ソフトバンクが2年振り4度目の交流戦優勝を決めた。秋山幸二監督にとっては3度目の交流戦V。'11年の勝因が和田毅、杉内俊哉らを擁した投手陣だとすれば、今回はチーム打率2割8分台を叩きだした内川聖一、松田宣浩、長谷川勇也ら打者陣か。だが真の立役者は、交流戦終了時で27試合に登板して、防御率0.76とブルペンを支えた千賀滉大だろう。

 千賀は蒲郡高出身。'10年に育成ドラフト4位で指名された。周囲は“大学を出てからでも遅くない”と反対したが、「4年後にドラフト指名される保証はない」とプロ入りを即決したという。“入団直後はレベルの高さに圧倒された”という千賀は、地道に基礎トレーニングに励むと、'12年4月に支配下登録を掴みとった。

 初登板は4月30日のロッテ戦。先発として抜擢した高山郁夫コーチは「鬼が出るか蛇が出るか、楽しみだという心境で送り出した」と当時を振り返る。この試合は、4回途中で3失点とチャンスを生かせず、昨季は一軍に定着出来なかった。

 今季も先発ローテの座を狙っていたが、攝津正や大隣憲司、帆足和幸、パディーヤという豪華先発陣に入り込めなかった。開幕直前に中継ぎ要員として指名されると、気持ちをこう切り替えた。

「中継ぎと決まった時に、連投の負担も考えて体重移動を少なくするフォームに変えました。そしたら、フォークの落ちが大きくなったんです」

最速156kmの速球と落差の大きいフォークで、26試合連続無失点。

 ソフトバンク投手陣の課題は、セットアッパーの充実だった。そのため、先発枠から岩嵜翔を転向させ、メジャー帰りの五十嵐亮太を獲得。そこへ、最速156kmの速球とフォークボールを武器に、“三振の取れる投手(高山コーチ)”の千賀が加わったことは大きかった。

 5月12日の西武戦では同点の7回から登板し、2イニングを無失点に抑え、プロ初勝利を挙げると、26試合連続無失点、11ホールドと交流戦優勝に大きく貢献した。3年目の若武者・千賀はこう語る。

「ウチは打線がいいので、先発が3点以内に抑えて僕ら中継ぎが追加点を与えなければ勝てる。投げるのが楽しいんです」

 苛酷な連投を“楽しい”という投手がいるチームは強い。セットアッパーからエースとなった攝津の背中を追いかける千賀は、いつの日か先発に戻る日を夢見て、マウンドに立ち続ける。

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