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再出発の今場所は番付の
乱高下した力士に注目。
~大相撲秋場所は“記録”ラッシュ!?~ 

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服部祐兒

服部祐兒Yuji Hattori

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posted2010/09/16 06:00

再出発の今場所は番付の乱高下した力士に注目。~大相撲秋場所は“記録”ラッシュ!?~<Number Web> photograph by KYODO

暴力団等排除宣言を読む日本相撲協会の放駒理事長(中央)。NHKの中継も再開された

 日本相撲協会が秋場所を前に「暴力団等排除宣言」を行ない、暴力団との関係断絶を誓った。この宣言は「だれもが安心して相撲の観戦を楽しむことができ、力士が取組に専念できる相撲競技と土俵を守るため」の取り組みであり、7つの遵守項目には、違反した場合は「解雇もふくむ厳正な措置」をとるという罰則規定も盛り込まれた。過去の悪習との縁を絶つための具体的な再発防止策も今後示されるだろうが、外部意見を積極的に取り入れ、実効性のある改革を断行すべきである。その本気度が試される相撲界。徳俵に立つ今の状況を再認識し、もはや「次は」という選択肢が存在しないことを肝に銘じて欲しい。

 再出発を期す秋場所の新番付は、野球賭博問題の余波が色濃く反映したものとなった。賭博に関与し、名古屋場所を謹慎全休した幕内6人は十両へ、十両4人は幕下へ全員陥落。通常、昇格させる力士がいなければ降格はないのだが、今回の新番付はまず「降格ありき」だった。幕内十両の入れ替えは昭和以降最多の9人、十両幕下の入れ替えは十両以上の定員が4人増え8人だった2004年初場所に次ぐ7人と、異例の厳しさとなった。

 十両に陥落した元大関雅山は引退も考えたというが、現役続行を決断。元大関で十両の土俵に上がるのは、1977年夏場所の大受以来史上2人目である。

史上2位のスロー昇進となった新十両の旭南海。

 一方、今回の余波の恩恵を受け、奇跡の幕内昇進を掴んだ力士もいる。例えば東十両11枚目から8勝7敗で東前頭17枚目に再入幕した豊桜がそうだ。西十両7枚目から8勝7敗で西前頭16枚目に再入幕した元関脇土佐ノ海は、昭和以降最年長となる38歳6カ月で幕内に返り咲いた。更に、十両が地位として明確になった1888年以降初となる西十両12枚目(10勝5敗)から新入幕を射止めた旭南海は、初土俵から所要105場所で史上2位のスロー昇進となった。「運も実力のうち」と言われるが、18年に及ぶ地道な稽古の積み重ねを幸運の神様が見逃さなかったに違いない。「南海のハブ」と言われた尊敬する故郷の先輩旭道山に負けじと「南海のマングース」を目指し、幕内の椅子に座り続けて欲しい。

 横綱白鵬の連勝記録も気になるが、今場所は番付が乱高下した力士たちの相撲に注目したい。

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