一発勝負の決勝戦は「何が起こるかわからないだろ？」。

　あとは、バラエティに富んだこの3試合をヒントに戦術を担当するコーチのブバチがどんなアイデアを出し、クロップ監督がどのような決定をするかにかかっている。希望がないわけではないのだ。

　クロップ監督はバイエルン有利の下馬評を聞き、大げさにこんなコメントを出している。

「みんなの言うことはわかる。しかし、今この地球上で、我々が簡単に倒せるチームではないことを忘れてもらっては困るよ（笑）」

　そして、ときに理不尽な思いを味わうゴールキーパーというポジションでプレーするバイデンフェラーは、世間の評価を全面的に認めてみせた。それでも、こう付け加えてきた。

「確かに僕らは、アウトサイダーだ。でも、'97年の決勝戦を思い出してほしい。（アウトサイダーとみられていた）ドルトムントが、ユベントスに3－1で勝ったんだよ。決勝戦は1試合で決まる。何が起こるかわからないだろ？」

　運命の一戦は5月25日、ロンドンにある聖地ウェンブリースタジアムで行われる。