Sports Graphic NumberBACK NUMBER

<長嶋巨人、松井秀喜攻略法を語る> 野村克也 「絶対に負けたくない敵だった」 

text by

阿部珠樹

阿部珠樹Tamaki Abe

PROFILE

photograph byDaisaku Nishimiya

posted2013/05/17 06:00

<長嶋巨人、松井秀喜攻略法を語る> 野村克也 「絶対に負けたくない敵だった」<Number Web> photograph by Daisaku Nishimiya

ONが全力で練習するから、他の選手も手を抜けなかった。

「来た球を打つ」という長嶋の言葉を、なかば冗談のように捉える向きもあるが、おそらくそれは本音、正直な感覚だろうと思う。もちろん、普通の打者は「来た球を」上手く打てないからいろいろ苦労するのだが。

 しかし、長嶋をあまり天才と崇め奉るのは本人に対して失礼だろう。私が南海ホークスの監督をしていたころ、V9の途上にあったジャイアンツから相羽欣厚という外野手が移籍してきた。その相羽に、ジャイアンツの内情を聞くと、つぎのような話をした。

「長嶋さんと王さんがいつも、練習でも一切手を抜かずにやっているので、ほかの選手もやらないわけにはいかないんです」

パーティーでの「出番待ち」に、衰えない長嶋人気の秘密が。

 長嶋のチームメイトで先輩だった広岡達朗さんが面白い話を教えてくれたことがある。あるパーティーに長嶋とともに呼ばれたときのこと。会場に行くと、長嶋の姿が見えない。そのうちにパーティーははじまり、徐々に盛り上がってゆく。ふと見ると、会場の脇で、長嶋が「出番」を待っている。

「一番いいタイミングを見計らっていたんだね。案の定、出てきたらすごい盛り上がりだった」

 広岡さんは苦笑しながら話してくれたが、私は意外には思わなかった。ジャイアンツという人気チームで、いつもファンやマスコミの注目を浴び、自分がどう見られるかを考えながらふるまってきた長嶋らしいと納得した。人気のないパ・リーグで育った私などには真似のできないことである。そういう振る舞いをスタンドプレーと見ることもできるが、そこに長嶋の衰えない人気の秘密もあるのだろう。

長嶋の期待を背負った松井のプロ初本塁打は高津臣吾からだった。
この時、知将は高津に対して意外な配球を指示していた。
阪神監督時代に松井を苦しめた遠山の起用法、物議を醸した球宴での代打。
野村は様々な逸話と共に、指導者としての松井の可能性を語った――。
つづきは、雑誌「Number」828号、もしくはNumberモバイルでお読みください。
常識を超えろ。~BASEBALL RISES 2013~

Sports Graphic Number 828

常識を超えろ。
~BASEBALL RISES 2013~


【常識を超えた師弟】 長嶋茂雄&松井秀喜 「不滅の絆」
【ミスターとゴジラと私】 野村克也/中畑清
【黄金ルーキーの秘密】 藤浪晋太郎/菅野智之/大谷翔平
【規格外の男たちを見よ!】 中田翔/糸井嘉男/松田宣浩/牧田和久/ダルビッシュ有

目次ページへ

関連コラム

<< BACK 1 2 3 NEXT >>
3/3ページ
関連キーワード
野村克也
読売ジャイアンツ
長嶋茂雄
松井秀喜
イチロー
東京ヤクルトスワローズ

ページトップ