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鉄壁守備が売りの大宮で異彩を放つ、
“危なっかしい男”高橋祥平の魅力。 

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細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

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posted2013/05/13 10:30

鉄壁守備が売りの大宮で異彩を放つ、“危なっかしい男”高橋祥平の魅力。<Number Web> photograph by AFLO

サイズのハンデを読みと反応でカバーする、日本人らしいCB。代表を狙っていることを公言する、発言の直截さも魅力の1つだ。

“危なっかしいヤツ”に不思議な魅力を感じてしまうのは、きっと同時に、その人物の未来にやがて大きく化ける可能性を見ているからである。

 今季のJリーグで無敗街道をひた走り、ついに首位の座にまで上り詰めた大宮アルディージャ。土俵際のうっちゃりで過去に何度も降格危機を回避してきたが、どうやら今季はその得意技を繰り出す必要もなさそうだ。チームのストロングポイントは、第10節終了時点で失点をわずか「6」に抑えている堅守であり、外国籍選手で構成される攻撃陣の安定的な破壊力である。シーズン前半にして勝つための正攻法がしっかりと確立され、組織としての完成度は極めて高い。今のところ、そこに“危なっかしさ”はない。

 ところが一人、見ているこちらがワクワクするような“危なっかしさ”を秘めた選手がいる。

 センターバックの一角を担う高橋祥平、21歳。今季開幕前、J2の東京ヴェルディから加入した新戦力である。

無実のイエローカードに激怒し、結局「執拗な抗議」で退場!?

 彼のキャラクターを象徴的に物語る事件は、4月13日、第6節のセレッソ大阪戦で起きた。

 1-1で迎えた64分、高橋は背中を向けてボールをキープするC大阪のFWエジノとの間合いを詰め、ボールに足を引っ掛けて奪取する。すると、反転して高橋を追い掛けようとしたエジノが軸足を滑らせて転倒。レフェリーは即座に笛を吹いて高橋のファウルを宣告し、ポケットからイエローカードを取り出した。

 スローVTRを見れば誰の目にも明らかだが、高橋はエジノの転倒に全く関与していない。

 もちろん高橋はこの判定に憤慨した。イエローカードを掲げるレフェリーに詰め寄ると、判定に対する「不服」を示し、さらに「執拗な抗議」をしたとしてその場で2度目の警告を受ける。続いてレッドカードが掲げられ、退場を命じられた。

 瞬間的には何が起きたのか理解できず呆然としているように見えたが、おそらく、ピッチの外へと歩みを進めるうちに抑え切れない怒りがこみ上げてきたのだろう。ピッチから出た瞬間、気持ちのやり場を失った高橋はタッチライン際のペットボトルを蹴り上げ、スタッフの制止を振り払うようにしてピッチを去った。

 6日後の4月19日、「2度の警告を受け退場を命じられてピッチを去る際、判定に不服を示し、飲料ボトルを蹴り上げる行為を行った」として、Jリーグは高橋に対して2試合の出場停止処分という決定を発表した。

【次ページ】 プロとしての自覚と若者らしい“やんちゃ”な面と。

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