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不沈艦が沈んだ天皇賞。
宝塚は3強から4強へ。
~GI初制覇フェノーメノの可能性~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byKiichi Yamamoto

posted2013/05/19 08:00

不沈艦が沈んだ天皇賞。宝塚は3強から4強へ。~GI初制覇フェノーメノの可能性~<Number Web> photograph by Kiichi Yamamoto

ダービー、天皇賞・秋で2着と、あと一歩届かなかったGIを遂に手にしたフェノーメノ。

 昨年はあのオルフェーヴルが11着に惨敗したのもこのレース。1番人気苦戦のデータが厳然と存在する天皇賞・春(4月28日、京都、芝3200m、GI)は、今年も「この馬こそ不沈艦」と信じられていた大本命馬ゴールドシップ(牡4歳、栗東・須貝尚介厩舎)を、その呪縛の海に沈めてしまった。

 ゲートからのダッシュが鈍いのはいつものこと。勝負所での手応えをよく見せないのもこの馬の特徴のひとつ。しかし、いつもなら一気に加速がついていなければいけない直線の入口で、9歳馬ジャガーメイルに外からパスされるシーンがターフビジョンに大写しにされたところで、単勝1.3倍の圧倒的な支持を与えていた大観衆もついに異変を否定できなくなった。

 歓声が悲鳴に変わっても、もちろん大勢は覆らない。ジャガーメイルを寸前で差し返して着順掲示板の最後尾(5着)を確保したのがせめてもの意地だったが、勝ち負けには一度も加われないままの完敗。優勝したフェノーメノ(牡4歳、美浦・戸田博文厩舎)の馬上で喜びを爆発させる蛯名正義騎手の姿を寂しく見つめるほかない内田博幸騎手だった。

速めの仕掛けで後続をまったく寄せつけなかった堂々たる内容。

「返し馬の感触もいつも通りでしたし、体調に関して悪いところはなかったと思う。レースもこの馬のスタイル。でも、今日はなぜか先頭に並ぶところまで行けなかった」と、肩を落とし、絞り出すように語るのがやっとだった内田騎手。

 須貝調教師は「こういう高速馬場で戦うのは初めてだったからね。こんな展開もあるとは読んでいたからせめて中団ぐらいにはつけたかったけど、ゲートがあんなだから」と、つとめて冷静を装って敗因を語った。菊花賞、有馬記念、阪神大賞典と力強さを見せつけてきたゴールドシップだが、なるほどスピードレースへの対応力には未知の部分があったということか。とはいえ、GI中最も長い距離で争われる天皇賞・春が、その形になるとも予想しにくかったわけだが。

 フェノーメノはGI初勝利とは思えない堂々たる内容。「あの馬のマクリが飛んでくる前に」と、早め先頭のわけを語った蛯名騎手だが、後続をまったく寄せつけなかったのだから強い。これで宝塚記念はジェンティルドンナ、オルフェーヴル、ゴールドシップにフェノーメノを加えて、4強の構図ができあがった。

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