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予想通り、予想外のJ1。
大宮の躍進を支える3要素。
~残留争い常連、首位快走の理由~ 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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photograph byAFLO

posted2013/05/10 06:01

昨季加入し、今季は開幕から絶好調のズラタン。得点力に加えて、献身的な守備も魅力だ。

昨季加入し、今季は開幕から絶好調のズラタン。得点力に加えて、献身的な守備も魅力だ。

 近年、戦力が均衡化し、群雄割拠の時代に入ったJ1では、シーズンごとに大きく順位が変動することも珍しくない。一昨季はJ2から昇格したばかりの柏が優勝した一方で、昨季は一昨季3位のG大阪がJ2に降格した。

 予想外のことが起こるからサプライズ。それが毎年起こるとしたら、もはやサプライズなのかどうかあやしいが、あえて言うなら、「予想通り、予想外のことが起きている」。それが今季のJ1から受ける率直な印象だ。

 毎年恒例のサプライズ。今季の主役は横浜FMと大宮である。

 前者は開幕から6連勝で第7節まで首位を走り、後者は昨季から続く連続無敗記録を21試合まで伸ばすとともに、第4節からの5連勝で首位の座を奪い取った。第10節終了時の暫定順位では、大宮が勝ち点26で首位に立ち、これを横浜FMが勝ち点6差の2位で追っている。

 お世辞にも前評判が高かったとは言えない両クラブ。とりわけ、昨季13位の大宮を上位候補に推す声は少なかった。

 実際、大宮は'05年のJ1昇格以来、最終順位が一桁だったことは一度もなく、残留争いが年中行事。過去2シーズンを振り返っても、いずれも勝ち点20到達までに18試合を要しているのだから、にわかに信じ難いほどの大躍進である。

積極的な守備と助っ人2トップを軸にしたカウンターで得た自信。

 しかし、大宮の戦いぶりを見ていると、それが一過性の勢いによるものとは考えにくい。粘り強い守備をベースに効率よくカウンターで得点する堅守速攻は、確実に自分たちの型になってきている。

 堅守速攻と言っても、ベタ引きで守備を固めるわけではない。むしろ重心が後ろに傾かないようDFラインを高く保ち、中盤で相手をフリーにさせない積極的な守備戦術が大宮の特徴だ。

 そしてボールを奪うと、ズラタン、ノヴァコヴィッチの2トップを中心にカウンターを仕掛ける。戦力均衡のJ1にあって“助っ人”の当たり外れは結果に大きく影響するが、大宮はその点でもアドバンテージを手にしている。

 安定した守備。優れた外国人FW。加えて、勝ち慣れていなかった選手たちが1勝ごとに手にする自信。今後も大宮が優勝争いに加わる条件は整いつつある。

 今季のサプライズもまた、どうやら春の珍事では終わりそうにない。

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