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渡米2年目の岩隈が見せる、
抜群の安定感と確かな自信。
~マリナーズ先発陣の軸として~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2013/05/09 06:00

渡米2年目の岩隈が見せる、抜群の安定感と確かな自信。~マリナーズ先発陣の軸として~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

昨季の投球回数は125回1/3。野茂、松坂、黒田しか達成していない200イニングに挑む。

 威勢のいいフレーズよりも、静かで落ち着いた口調に、本音が隠されていることは少なくない。

「もうオープン戦はいいかな、って感じ。早く開幕してほしいですね」

 メジャー2年目を迎えたマリナーズの岩隈久志は、オープン戦終盤にさしかかった3月中旬の時点で、今季への自信をサラリとのぞかせていた。順調に調整が進んだだけではない。いつ開幕しても自分の力を発揮できるという確証にも近い感覚があったからこそ、岩隈は待ち切れない心境を言葉に変えた。

 そんな心意気を象徴するようなマウンドが、4月12日のレンジャーズ戦だった。直前の登板で、完全試合目前の快投を演じたダルビッシュとの投げ合いとあって、注目度は高かった。結果は、6回3失点で降板したダルビッシュに対し、岩隈は7回途中まで1失点。緊迫した投手戦を制し、今季2勝目を挙げた。

「負けたくない気持ちがあって、最初から飛ばしました。こういう日に投げられることはなかなかないし、勝てたことはうれしいですね」

 ちょうど32歳の誕生日。めったにライバル心などを見せない岩隈が、この日ばかりは率直な思いを口にした。

昨季の反省点だった筋力不足を解消して「200イニング」突破を。

 メジャー1年目の昨季は、開幕前の時点でつまずいた。体力測定でメジャーの先発投手としての筋力値に不足していることが判明。球数が制限され、救援として開幕を迎える一方で、筋力強化プログラムをこなす日々が始まった。だが、数値をクリアし、先発として再出発した7月以降は、8勝4敗、防御率2.65。安定感抜群の成績を残したことで、オフにはエースのヘルナンデスに次ぐ2番手として、2年総額1400万ドル(約14億円)の好条件で契約を延長した。

 ロサンゼルス郊外での単独自主トレでは、昨季の反省を生かして、投球練習以上に腹背筋など基本トレーニングを繰り返した。年間を通してローテーションを守り、一流投手の目安とされる「200イニング登板」をクリアするためだった。

「去年の経験もありますし、2年目はやるべきことが分かっていますから」

 期待と責任を背負っても、ジンクスとは無縁。4月の6試合を防御率1.67と好発進しても、岩隈の言葉は、あくまでも力みがなく、淡々としていた。

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