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プロ3戦目で賞金王候補の松山英樹。
青木功、藤田寛之も認めた真の実力。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byNIKKAN SPORTS/AFLO

posted2013/05/08 10:30

プロ3戦目で賞金王候補の松山英樹。青木功、藤田寛之も認めた真の実力。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS/AFLO

中日クラウンズ優勝をあと一歩で逃した松山は世界ランク90位に。米ツアーで頑張る石川はその活躍ぶりに「いつかこっち(アメリカ)の大会に出るチャンスがあればぜひ来てほしい。どこの舞台でもいいので優勝争いを一緒にしたいので」とコメントしている。

 4月2日のプロ転向宣言から、早1カ月が過ぎた。この春、東北福祉大の4年生となった松山英樹は、学生生活を1年残した段階でアマチュアの身分を卒業。'11年のツアー優勝で獲得したシード権を行使し、待ちに待った世界に飛び込んだ。

 期待通りなのか、それ以上なのか。

 開幕戦の東建ホームメイトカップからの3試合を10位、優勝、2位で終えた。「まあ、思ったよりは上手くできたのかなぁとは思いますけど」と、つれないが、このわずかな期間で手にした賞金は3914万6000円にも上り、堂々ランキングのトップに君臨している。

 社会人1年目ということを考えればとんでもない“初任給”だ。そしてこの額はルーキーイヤーを迎えた選手としての話題も逸脱している。この10年間、この開幕3戦(東建、つるやオープン、中日クラウンズ)を通じて、彼以上の賞金を稼いだのは'05年の尾崎直道(約4438万円)しかいない。

 そして、あと1ストロークが届かなかった3戦目の中日クラウンズを制していれば、この数字すら上回ったのだ。

青木功、宮本勝昌も舌を巻く、松山の飛び抜けた実力。

「プロの世界は甘くない」

 そんな風に話していた青木功もどうだ。

「あいつ、うんめぇなあ」と、いつも以上に素っ頓狂な声で思わずうなった。「手ごろなのをポンポン決めてたよ」。2人の出会いは松山が6歳の時まで遡るが、外れても必ずやカップをかすめバーディパット、そして2メートル弱の微妙な距離を次々と沈めていく勝負強さに、目を見開いた。

 新人初、ルーキー史上最高……そんな記録が一層賑やかになるだろう。だがそんなフレーズが飽き飽きとしそうなほど、既に新しいリーダーとしての地位を確立したようなのである。

 宮本勝昌は、その基本的な飛距離性能に驚いた。

 181センチ、75キロの恵まれた体格を余すことなく使い切るスイングには胸がすく思いだ。クラブのソールで小刻みに地面を叩いたアドレス後、スッと上げられたクラブはトップでの一瞬の静寂を経て、スイングプレーンを猛スピードで駆け抜ける。

「本当に(ドライバーの)キャリーで300ヤードを打てるかもしれない。ティショットで300ヤード先のバンカーを越えていくマネジメントができる。日本人離れしている感じ」

【次ページ】 藤田は無限の伸びしろを秘めた未完成の魅力を推す。

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