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投資銀行との業務提携は、
FEG起死回生の一手か。
~K-1設立から17年後の試練~ 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2010/08/06 06:00

投資銀行との業務提携は、FEG起死回生の一手か。~K-1設立から17年後の試練~<Number Web> photograph by Susumu Nagao

DREAMライト級王者として川尻を倒し初防衛に成功した青木。リング上で結婚報告も

 K-1やDREAMを運営管理するFEGが揺れている。7月5日に開催したK-1・63kg級ジャパントーナメントFINALは、アップセットの連続の末に大和哲也が優勝。その5日後に開催されたDREAM15では青木真也が川尻達也をアキレス腱固めで秒殺し、4カ月前のアメリカ遠征でギルバート・メレンデスに完敗した汚名を返上した。

 いずれも衝撃度は大きかったが、大会を支えるFEGの経営状態はけっして楽ではないようだ。今年のK-1・70kg級の世界一決定トーナメント開幕戦は史上初の分催となり、前述の63kg級と一緒に行なわれたのは日本代表が絡んだ3試合のみ。残り5試合について谷川イベントプロデューサーは「フランスで開催したい」と発言したが、7月中旬現在正式発表はない。一方、K-1甲子園は7月23日になって、ようやくその開催が発表された。昨年は62kg級と70kg級に分けられ5ブロック制による地方予選が開催されたが、今年は60~65kg級の一階級のみ。地方予選も東日本と西日本に大別された。8月25日の東日本予選までは20日あまりしかない。

FEGは資金集めを中国の投資銀行PUJIに一任。

 7月16日に行なわれた今後の事業展開に関する会見で、谷川氏は苦しい台所事情を明かした。「2000年代前半にK-1とPRIDEが鎬を削っていた時代には、世界の格闘技市場の8割を日本が独占していた。だが2010年になった現在、立場は逆転してしまい、8割は海外に持っていかれた」

 そのテコ入れとして、谷川氏は中国の投資銀行PUJIとの業務提携を発表した。今後FEGは大会運営に専念し、資金集めの方はPUJIに一任する。そうすることで、国際競争力を高めようとしているのだ。「世界で闘えるようにならないと、(UFCなどメジャー団体の)傘下団体になってしまう」(谷川氏)

 かつてK-1は「日本発世界へ」をキャッチフレーズにしていたが、今後は「アジア発世界へ」路線に軌道修正を計る。10月2日に韓国で開催されるK-1ワールドGP開幕戦は既定路線ながら、その前後に業務提携第一弾としてK-1中国大会の開催を目指す。そこで最大のポイントは、PUJIはこれから資金を集めるということ。つまり順調に資金が集まるにしても、その恩恵を国内開催のK-1やDREAMが受けるのは来年以降になるのではないか。谷川氏は巷で噂される「身売り」を否定したものの、そういった噂を増幅させる不安要素が残っていることも確か。K-1設立から17年、FEGには最大の試練が訪れている。

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