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巧みにポイントを重ね、
ハミルトンが首位を走る。
~今宮純のF1前半戦総括~ 

text by

今宮純

今宮純Jun Imamiya

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2010/07/29 06:00

上位ドライバーのなかで唯一リタイヤのないハミルトン。安定性の高い走りを見せている

上位ドライバーのなかで唯一リタイヤのないハミルトン。安定性の高い走りを見せている

 第10戦イギリスGPで自己ベストタイの6位となり2戦連続で入賞を果たした小林可夢偉。彼の力走によりザウバーチームはコンストラクターズポイントでトロロッソを抜き8位に上がった。チームの全得点を彼が獲得し、まさにエースと言っていい貢献度だ。ウイリアムズとフォースインディアも、後半戦は小林をマークしてくるだろう。

 11月まで続く全19戦の長期シリーズ、前半の10戦をあらためて総括すると、チーム勝利数ではレッドブルがM・ウェバー3勝、S・ベッテル2勝で勝率5割。スピードでも予選PP9回と他を圧倒している。しかし、チャンピオンシップをリードしてきたのはL・ハミルトンで、2勝のほかに2位3回、3位1回と、表彰台に上がること6回。J・バトンも同様に2勝、2位2回、3位1回で続き、マクラーレン勢は予選の速さで対抗できなくとも本番のレースで食い下がってみせた。タイヤチョイス、レース戦略など采配面で彼らには機動力があり、何よりもマシンの信頼性が高い。レッドブル勢は無得点レースが多く、首位の座をマクラーレンに奪われてきた。

レッドブル、フェラーリ、メルセデスGP、それぞれの苦悩。

 接戦下でのレースオーガナイズの巧拙が前半戦の結果に反映されている。レッドブルはPPスタートでの逃げ切りといったスピードで押し通す勝ちパターンしかないことに加え、ウェバー対ベッテルのチーム内対立が表面化した。また、ランキング3位のフェラーリも開幕勝利の後は浮き沈みが激しい。エンジンの信頼性に悩み、マシン開発アップデートでも遅れを取り、ようやく軌道に乗りかかったかと思えば、F・アロンソがイギリスGPのペナルティ問題でずるずると後退。チーム全体が浮き足立ってしまった。

 しかし、それにも増して苛立ちを募らせているのがメルセデスGPだ。M・シューマッハーが3位以上の結果を残せず、N・ロズベルグは3位表彰台を3回と健闘しているものの、本社は揺れていて、来季の体制を検討中と言われている。

 ハミルトン、バトン、ウェバー、ベッテル、アロンソ、前半戦のウィナーはこの5人。5月のモナコGPまで勝てずにいたハミルトンが、その後1位と2位を並べて夏に向けたスパートを図り、今までとはひと味違う鋭い追い込みパターンが光る前半戦だった。

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