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27連勝の歴史的価値。
~NBA・ヒートの“段違いの強さ”~ 

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小川勝

小川勝Masaru Ogawa

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photograph byNBAE/Getty Images

posted2013/05/08 06:00

27連勝の歴史的価値。~NBA・ヒートの“段違いの強さ”~<Number Web> photograph by NBAE/Getty Images

レイカーズが1971~72年に達成した33連勝には及ばなかったものの、NBA歴代2位の27連勝を記録したヒート。大黒柱レブロン・ジェイムスは、この27試合で平均27.0得点、FG成功率57.5%、8.1リバウンド、8.0アシスト、1.9スティールと大車輪の活躍を見せた。

 NBAは、プレーオフ1回戦が終了して、東西両地区の準決勝が始まった。

 今季のレギュラーシーズンで最大の話題は、歴代2位となったマイアミ・ヒートの27連勝だった。'71-'72年シーズンのロサンゼルス・レイカーズが記録したNBA記録33連勝には届かなかったが、当時と現在のNBAでは、いくつかの点で事情が異なっている。二つの連勝記録を比較しながら、ヒートの記録の価値について考えてみたい。

27連勝中、レブロンはトリプルダブルに近い平均成績を叩き出した。

 ヒートの連勝は、2月3日のラプターズ戦から3月25日のマジック戦まで続いた。51日間にわたって負けなかったわけだ。27連勝の間、最終スコアが5点差以内の試合は6試合だけだった。3月6日のマジック戦は1点ビハインドだったが残り3秒、レブロン・ジェームズが逆転のレイアップを決めて勝利。3月18日のセルティックス戦も、103-103から残り10秒で、やはりレブロン・ジェームズが約6mのミドルシュートを決めて勝利している。連勝が続いた最大の原動力として彼の活躍があったことは間違いない。27連勝の間、彼の平均成績は27.0得点、8.1リバウンド、8.0アシストという、ほとんどトリプルダブルに近い驚異的な内容だった。

●マイアミ・ヒート27連勝の足跡
月日 スコア 相手 順位
2.3 ○       100-85 ラプターズ 10
4 ○☆    99-94 ボブキャッツ 15
6 ○☆    114-108 ロケッツ 7
8 ○☆    111-89 クリッパーズ 4
10 ○☆    107-97 レイカーズ 9
12 ○☆    117-104 トレイルブレイザーズ 11
14 ○       110-100 サンダー 2
20 ○       103-90 ホークス 6
21 ○       86-67 ブルズ 5
23 ○       114-90 76ers 9
24 ○☆    109-105 キャバリアーズ 13
26 ○☆    141-129 キングス 13
3.1 ○☆    98-91 グリズリーズ 5
3 ○       99-93 ニックス 2
4 ○       97-81 ティンバーウルブズ 12
6 ○☆    97-96 マジック 14
8 ○☆    102-93 76ers 9
10 ○☆    105-91 ペイサーズ 3
12 ○☆    98-81 ホークス 6
13 ○       98-94 76ers 9
15 ○       107-94 バックス 8
17 ○       108-91 ラプターズ 10
18 ○       105-103 セルティックス 7
20 ○       98-95 キャバリアーズ 13
22 ○☆    103-89 ピストンズ 12
24 ○☆    109-77 ボブキャッツ 15
25 ○       108-94 マジック 14
※☆はホーム試合。「順位」は4月7日時点、東西各地区での順位。

サラリーキャップが導入されて戦力均衡が図られた中での価値。

 ヒートの27連勝は、レイカーズの33連勝に劣らない価値がある、という見方もできる。その理由は、レイカーズが記録を作った当時、現在のようなサラリーキャップ制度がなかったからだ。現在の制度が導入されたのは'84年のことで、導入後も何度か手直しされているが、この制度によって、高額年俸でスター選手を集めるチーム編成には、制限が加わることになった。それだけ各チームの戦力均衡化が図られたわけで、この制度の中での27連勝は価値が高い――そういう見方ができるわけだ。

 実際、33連勝を記録した時のレイカーズの顔ぶれを見ると、現在のサラリーキャップ制度のもとでは、集められなかったメンバーではないか、と思われる。当時はNBA全体の収入がそれほど高くなかったから、現在の制度をそのままあてはめることには無理がある。ただ、年俸の総額制限という原理だけをあてはめて考えてみることはできるだろう。

【次ページ】 33連勝した時のレイカーズは控えまで豪華陣容だった。

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