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体操ニッポンを牽引する
10代の次世代エースが誕生。
~加藤凌平、寺本明日香の躍進~ 

text by

矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

PROFILE

photograph byDaiju Kitamura/AFLO SPORT

posted2013/04/22 06:00

体操ニッポンを牽引する10代の次世代エースが誕生。~加藤凌平、寺本明日香の躍進~<Number Web> photograph by Daiju Kitamura/AFLO SPORT

加藤は「リオでの金」を誓い、寺本は「優勝が信じられない」と微笑んだ。

 体操ニッポンの未来を背負う男女の次世代のエースが誕生した。

 4月6、7日に東京・駒沢体育館で行なわれた体操ワールドカップ(W杯)東京大会で、19歳の加藤凌平(順大)が、2位に入る活躍を見せた。この大会は6種目を2日間に分けて行ない、個人総合の順位を争うもの。絶対的王者である内村航平は負傷の影響で欠場となったものの、参加選手のリストには、ロンドン五輪個人総合銀メダルのマルセル・グエン(ドイツ)、ロンドン五輪団体総合で3位になった英国のエース、ダニエル・パービスら、そうそうたる名前が並んでいた。

 世界の強豪たちにとって今大会は、'16年リオデジャネイロ五輪へのスタートと位置づけられる試合だった。内村の欠場で出場チャンスが巡ってきた加藤にとって2位という成績は、内村の後継者としての世界へのアピールにつながった。さらには、日本の“2番手”が世界トップと互角の力を持っていることも証明することができた。

「怖いもの知らずで生意気」と、内村にも可愛がられる加藤。

 演技内容は満足できるものではなかったと反省した加藤だが、「オリンピックのメダリスト、入賞者の中で戦えて、なおかつ銀メダルを獲得できたということは自信になる。このレベルの選手の中でも戦えるんだということがわかった」と強く手応えを感じていた。

 加藤が台頭したのは昨年5月のNHK杯兼ロンドン五輪代表選考会だった。“打倒中国”への一策として日本体操協会が設定した「特化種目」のゆかで、内村に劣らぬ技を見せてチーム最年少での代表入りを果たすと、五輪本番までの3カ月間ですべての種目で飛躍的に実力をつけ、ロンドンではミスのない伸び伸びとした演技を披露した。

 性格は超マイペース。ただ、その分、集中して一つのことに取り組むときの姿には他を圧倒するものがあり、いつまででも何度でも、納得がいくまで同じ練習を繰り返す。練習に練習を重ねて完成させた技は、できばえに安定感をもたらし、常に計算できる武器となっていく。この姿は世界で一番練習すると言われている内村と重なる。「凌平は怖いもの知らずで生意気。昔の自分を見ているようです」と話す内村にも大いに可愛がられている。

【次ページ】 骨折を乗り越えた寺本は日本人女子初となるW杯優勝!

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