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「二刀流」ではなく野手一本で――。
雄平は不振のヤクルトを救えるか? 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byNanae Suzuki

posted2013/04/17 12:15

「二刀流」ではなく野手一本で――。雄平は不振のヤクルトを救えるか?<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

3月31日、プロ初登板の阪神・藤浪からホームランを放った雄平(右)。投手時代の2005年以来のプロ2号、2010年の打者転向後、初のアーチとなった。

 5球団とのカードがひと回りした4月14日の時点で6勝9敗の最下位。チーム打率に至っては12球団ワーストの1割9分5厘と、昨季3位のヤクルトが躓いている。

 最たる理由は主力選手の故障。

 バレンティンが左内転筋の肉離れから復帰したとはいえ、川端慎吾が左足首の故障、相川亮二が左肩鎖関節亜脱臼と、主力ふたりを欠いた打線は機能しきれずにいる。

 4連敗を喫し、中日と並び最下位に転落した14日の巨人戦後、小川淳司監督は現状を嘆きながら前を向き、口を開く。

「今の時点でこんなことを言うのもなんだけど、ひと通りやってみて(自分の)チームの様子が見られました。みんな揃ってこういう(打てない)状態だけど、それも野球ですから。こういう結果になってしまっているのは仕方がないので、もう1回立て直していかないと」

立て直しを図るヤクルト打線の起爆剤として。

 立て直す――。16日の中日戦で指揮官はそれを実行に移した。

 先の巨人3連戦で3番だったバレンティンを5番に下げ、代わって野手転向4年目の雄平を3番に置いたのだ。

 雄平は、3打席までは相手エース・吉見一起の緩急自在の投球の前に全て三振に倒れた。それでも8回の第4打席では、2番手の岡田俊哉から右中間を破る二塁打を放ち、バレンティンの2打席連続本塁打を大きくアシスト。勝利に貢献した。

 この試合を含め雄平の打撃は、立て直しを図るヤクルト打線の起爆剤としての可能性をしっかりと印象付けてくれた。

 規定打席に到達していないとはいえ、12試合で35打数11安打、打率3割1分4厘、2本塁打、3打点は立派な数字と言える。

 それでも、雄平に驕りはない。

「まだまだです。シーズンは始まったばかりなんで、何とも言えないのが正直なところで。でも、せっかくいただいたチャンスなのでレギュラーを獲れるように頑張りたいです」

 一時の煌めきで勘違いすることはない。それは、雄平という選手が蹉跌を経て今のポジションにたどり着いたからだった。

【次ページ】 1年目から、投手として最低限の結果を出してきたが……。

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