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アイスホッケー女子世界選手権展望。
大会の“意味”と日本代表の横顔。 

text by

小川勝

小川勝Masaru Ogawa

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photograph byAFLO SPORT

posted2013/04/06 08:01

アイスホッケー女子世界選手権展望。大会の“意味”と日本代表の横顔。<Number Web> photograph by AFLO SPORT

目にパック、口にはスティックがあしらわれた「スマイルジャパン」のロゴの前で笑顔を見せる選手たち。左から、日本の攻撃をリードする久保英恵、21歳の主将・大澤ちほ、フィンランドでのプレー経験もある平野由佳。

現在の女子日本代表のメンバー構成を紹介!

 GKを除いて、氷上に出る選手は5人。FW3人、DF2人という構成が基本だ。

 そして多くの場合、3人のFW、2人のDFは、試合中、同じ組み合わせで氷上に出ていく。つまりFW3人、DF2人は、チームの中でグループ分けされていて、交代する時は、なるべくグループでまとまってベンチに下がり、次のグループが氷上に出るという形を取っている。したがって、ほとんどのチームでは、控えのGKを除けば、試合に出ない選手はいない。

 FW3人、DF2人で構成する5人の組み合わせを「セット」と呼ぶ。通常、試合開始から出場する順番に「第1セット」、「第2セット」、「第3セット」というふうに呼ばれる。

 多くのチームで、主力となる選手は、第1セットと第2セットを構成している。現在の女子日本代表の場合は、次のようになっている(カッコ内は年齢。過去の五輪世界最終予選経験。ソチ五輪世界最終予選3試合でのゴール、アシスト)。

●第1セット
FW 大澤ちほ(21) バンクーバー。1ゴール1アシスト。
FW 米山知奈(21)
FW 坂上智子(29) トリノ、バンクーバー。1ゴール2アシスト。
DF 青木香奈枝(28) 1ゴール1アシスト。
DF 竹内愛奈(21)

●第2セット
FW 久保英恵(30) ソルトレークシティ、トリノ。2ゴール3アシスト。
FW 平野由佳(26) バンクーバー。1ゴール3アシスト。
FW 中村亜実(25) 1ゴール1アシスト。
DF 床亜矢可(18)
DF 鈴木世奈(21)

第2セットのFW3人、久保、平野、中村が、日本最強のライン。

 ソチ五輪の世界最終予選では、チームとして3試合で9得点を挙げた。そのうち7得点をこの第1、第2セットの選手で挙げている。アイスホッケーでは、ゴールとアシストを合計して「ポイント」と呼んでいるが、久保の3試合5ポイントは、今回の世界最終予選4カ国、全選手の中で最多ポイントだった。

 選手の交代は、試合状況によってはセットごと5人同時に交代することができないことも多いため、1人ずつの交代になって本来のセットとは違う組み合わせで、一定の時間、プレーすることはよくある。しかし今回の世界最終予選3試合に関しては、第2セットのFW3人、久保、平野、中村が、最も得点力のある日本最強のラインだったと言える。

【次ページ】 日本の女子選手の中で際立った技術を持つ久保の復帰。

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大澤ちほ
米山知奈
坂上智子
青木香奈枝
竹内愛奈
久保英恵
平野由佳
中村亜実
床亜矢可
鈴木世奈
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