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高校総体開催で活気づく、
沖縄県勢が五輪を目指す。
~センバツ優勝の興南に続け!~ 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byShino Seki

posted2010/07/26 06:00

高校総体開催で活気づく、沖縄県勢が五輪を目指す。~センバツ優勝の興南に続け!~<Number Web> photograph by Shino Seki

ジュニア大会で昨年優勝、今年3位の与那覇。常に上の学年に混じり英才教育を受けてきた

 興南高校の選抜大会優勝に象徴されるように、沖縄県の野球のレベル向上は著しい。だが実は、野球以外の競技でも、躍進の兆しが表れている。今春、高校卒業とともに福島千里らの所属する北海道ハイテクACに進み、国際大会出場を果たすなど将来を嘱望される陸上短距離の玉城美鈴。昨夏の高校総体の柔道で沖縄の女子として初優勝し、今年も国際大会で優勝した饒平名(よへな)知子(沖縄尚学高)。昨年、中学3年生にして高校生も参加するレスリングのJOCジュニアオリンピックで優勝した与那覇竜太(浦添工業高)も注目を集める一人だ。

総体開催が決まり、行政などの支援が始まった。

 沖縄県ではこれまで、日本代表クラスにまでたどりつく選手が少なかった。最近の夏季五輪の県出身者を見ても、2000年のシドニーは1人、アテネはゼロ、北京が1人。スポーツ熱がないわけでもないのに低迷する状況を、沖縄のスポーツ関係者が嘆くのを聞いたことがある。

「才能があっても伸び切らないんです」

 その原因にあげたのが、ジュニアからの充実した競技環境の欠如、勝負へのこだわりや向上心が淡白に感じられるメンタリティなどだった。それらを克服したかのように好成績を残す選手が増えてきた理由を、与那覇を指導する浦添工業高レスリング部監督の屋比久保氏が語る。

「以前からオリンピックで活躍する選手の生い立ちを見ていて、『小さい頃から教えないと育たない』と思いながらも叶いませんでした。でも、この夏の総体開催が沖縄に決まると、行政などの支援も始まったのです」

小学生の頃からの熱心な一貫した指導が生む好循環。

 そして屋比久監督自身、子ども向けのレスリング道場を立ち上げて指導を始めた。彼らは全国大会に打って出て、徐々に成果をあげていった。

「以前は全国大会に出るだけでびくついていたのが、自分たちもやれる、もっと上を目指そうという気持ちを強く持てるようになりました。与那覇自身も、五輪出場を具体的に思い描いています」

 熱心な指導者が小学生の頃から一貫して指導にあたり、大会で得られる結果に選手が奮い立ち、さらに熱心に打ち込む。レスリングにかぎらず、そうした土壌が築かれつつあるからこその変化である。

 美ら島沖縄総体は7月28日に開幕する。沖縄の高校生たちにとって、さらに飛躍を遂げるための場となるはずだ。

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