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“性悪王者”鈴木みのるが仕切る、
全日本の熱い夏。
~武藤敬司不在の全面抗争~ 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

PROFILE

photograph byNIKKAN SPORTS

posted2010/07/27 06:00

諏訪魔をねっちりいたぶる鈴木。かつてのUWFの若武者も42歳。若手の壁となっている

諏訪魔をねっちりいたぶる鈴木。かつてのUWFの若武者も42歳。若手の壁となっている

 全日本マットが熱い。鈴木みのるの超党派軍、諏訪魔がリーダーの新世代軍、TARU率いるブードゥー・マーダーズ(VM)軍の3軍全面抗争に揺れ、連日、熱帯夜のようだ。

 右ヒザを手術した武藤敬司社長が不在のいま、全体を盛り上げているのは、“性悪”3冠ヘビー級王者、みのるだ。春のチャンピオン・カーニバルで優勝、5・2名古屋で浜亮太を破って3冠を奪取して以来、新世代軍の前に大きな壁となって立ちはだかっている。7月4日の大阪府立体育会館では、新世代軍の代表、河野真幸を25分19秒、スリーパーホールドでねじ伏せ、レフェリーストップで勝利。初防衛に成功した。

「オレの写真撮れよ」と観客に向かって写真撮影を強要。

「河野、早くリングからどけよ。邪魔なんだよ。全日本プロレスの中心はオレ、鈴木みのるなんだよ!! ハッハハハ!」

 と、大の字にのびている192cm、108kgの河野を踏みつけたばかりか、「お前ら、みんな携帯出せ。オレの写真撮れよ」と観客に向かって写真撮影を強要する“性悪”ぶりを見せつけた。

 おまけにこの日、諏訪魔・浜の新世代軍は、超党派軍の曙・太陽ケアと世界タッグ王座決定戦で激突するも、205kgの浜ちゃんが210kg曙のポスト上段からのダイビング・ボディプレスで圧殺され、完敗。全日本の主導権を握るという新世代軍の野望は、一夜にして梅雨空のように暗転した。

3冠を狙う曙の夢を打ち砕いた諏訪魔の勝利。

 それでも、彼らには光明がある。タッグでは敗れたが、その2日前に後楽園ホールで行なわれた全軍対決シングルマッチで、諏訪魔が曙に勝っているのだ。この一戦は、曙のポスト上段からのダイビング・プレスを自爆させた諏訪魔が間髪入れずジャーマンで投げ、アンクルホールドを決めて7分27秒、圧巻の勝利を収めた。「ハマに先を越されたからね。オレも!」と3冠ベルトを狙っている曙の夢を打ち砕いた1勝は大きい。

 だが、みのるはタッグで曙組が勝ったことで、「もう終わりだろう!?」と、新世代軍との抗争終結をほのめかし、新たな揺さぶりをかけた。みのるにここまでコケにされては、新世代軍のリーダー、諏訪魔も黙っていまい。全日本の次のビッグマッチの予定は、8月29日の両国国技館。王者・みのるのアクションが、全日本の夏を仕切る。

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