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相次ぐ移籍と南ア“後遺症”。
W杯後のJリーグはこう変わる! 

text by

猪狩真一

猪狩真一Shinichi Igari

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photograph byKYODO

posted2010/07/10 08:00

相次ぐ移籍と南ア“後遺症”。W杯後のJリーグはこう変わる!<Number Web> photograph by KYODO

W杯が代表選手たちに及ぼすさまざまな精神的影響。

 そしてもうひとつ、戦力面のIN&OUT以外にチームの力を上下動させるものとして注目したいのが、W杯が選手に及ぼす精神的な影響だ。

 浦和の阿部勇樹、横浜FMの中澤佑二、G大阪の遠藤保仁といった日本代表の主力としてフル稼働した選手に、この先、心身の疲労が現れるのかどうかを予測する手だてはない。しかし、清水の岡崎慎司や横浜FMの中村俊輔のように、長らく主力としてプレーしながら本大会では出場機会を減らした選手が、ブレイク明けのJでどのようなパフォーマンスと振る舞いを見せてくれるのかは、非常に気になる。

中村俊輔は失意のドイツW杯をバネに海外で勇躍した。

 思えば、岡崎が清水のエースと呼ぶべき存在になったのは、グループリーグ敗退に終わり、「帰国するのが恥ずかしかった」と振り返った'08年の北京五輪の直後のことだった。また中村俊も、ケガと体調不良で力を出し切れなかった'06年のドイツW杯後のシーズンに、セルティックで堂々とスコットランドリーグのMVPを獲得している。彼らは、代表での挫折感に引きずられて自分本来のプレーを見失ってしまうような選手ではない。

 代表で活躍した選手がそのままリズムをつかみ、クラブでも好調をキープするという場合もある。一方で、大舞台で味わった屈辱、あるいはW杯本大会のメンバーに残れなかったという悔しさをモチベーションに変え、クラブでのパフォーマンスに反映させられる選手もいる。

 代表あるいは代表の当落線上にいた選手たちそれぞれの、精神面の浮き沈みの集積。それもまた、W杯ブレイク後の各チームの力関係を変化させる大きなファクターのひとつだ。

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川崎フロンターレ
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