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<王国敗退の裏側> 闘将ドゥンガと「3+8」の閉塞。~ブラジルはなぜ敗れたのか~ 

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豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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photograph byDPPI(PHOTO KISHIMOTO)

posted2010/07/10 08:00

<王国敗退の裏側> 闘将ドゥンガと「3+8」の閉塞。~ブラジルはなぜ敗れたのか~<Number Web> photograph by DPPI(PHOTO KISHIMOTO)
前線3人の高速カウンターと8人で築く強固な守備ブロック。
カナリア軍団の「3+8」サッカーは完璧なはずだった。
だが、準々決勝で思わぬ敗退。脆さを露呈したスタイルの深層を探る。

 ブラジルにとって早すぎる敗退だった。

 死のグループと言われたグループGを2勝1分けで突破し、決勝トーナメント1回戦ではスペインを苦しめたチリを3-0で粉砕。

 世界中がブラジルこそが優勝候補筆頭だと考えていた。

 そして4戦無敗で迎えたオランダ戦。センターサークル付近からの1本のパスをロビーニョがダイレクトで押し込み先制点を挙げた。

 このシーンは今大会のブラジルの手数をかけない、シンプルな攻撃を象徴するものだった。スペインのように中盤でボールを回し続けることもなく、アルゼンチンのように攻撃に人数を割いて畳みかけることもない。

 ボールを奪取してから時間をかけずに、前線のタレントの個人技で、最も近い道筋からゴールを目指す。

3人のタレントと8人の労働者が創り出すサッカー。

 この4年間、ドゥンガ監督はチームを作る上でこのスタイルを徹底してきた。中盤の守備の軸で、指揮官の信頼を得たボランチのジウベルト・シウバは言う。

「今の代表チームは上手く守ることさえできれば、前線のタレントが何かやってくれる。勝つためにはブラジルはこのスタイルを続けなければならない」

 ベスト16のチリ戦ではブラジルのそんなスタイルがはっきりと表れていた。

 ルイス・ファビアーノが決めた2点目。ボール奪取後、左サイドのロビーニョがドリブルで縦へ進むと、中央のカカへ。カカはダイレクトでペナルティエリア内に走りこむルイス・ファビアーノへスルーパスを送り、ストライカーはGKをひらりとかわして決めた。

 ロビーニョ、カカ、ルイス・ファビアーノの3人の個人技でシンプルに相手を崩し、得点につなげる。まさにドゥンガの狙っている形だった。

 3人のタレントと8人の労働者が創り出すサッカー。「3+8」ともいえるスタイルが2010年のブラジル代表だった。

【次ページ】 地元ブラジルのTV局からも疑問の声があがった。

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