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タイガー・ウッズ、
完全復活の日は近いのか。
~久々のメジャー制覇へ心身充実~ 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byGetty Images

posted2013/03/23 08:01

タイガー・ウッズ、完全復活の日は近いのか。~久々のメジャー制覇へ心身充実~<Number Web> photograph by Getty Images

キャデラック選手権では2日目以降、首位を譲らず盤石の優勝。世界ランク2位をキープ。

 世界ゴルフ選手権第2戦(キャデラック選手権)で、タイガー・ウッズが今季2勝目をあげ、ツアー通算勝利数を76に伸ばした。

 そのプレーぶりには、かつての“強い”というイメージより、むしろ熟達した盤石さが漂う。

 昨年から復調の兆しをみせていたウッズだが、全盛期を知るマスコミやファンの間には、物足りないという空気が流れていた。それはメジャータイトルから5年も遠ざかっていることとも無縁ではないだろう。

 昨年の全英オープンでは、勝機がありながら最終日残り9ホールで中途半端な攻めきれないプレーを見せてしまった。

 メジャー大会を制してこそ、完全復活。その意識はウッズ本人が誰よりも強いに違いない。さらに、ジャック・ニクラスのメジャー通算18勝という偉業(歴代1位)にあと4勝で並ぶというのも高いモチベーションになっているはずだ。

勝ちゲームをデザインする冷静さは、絶好調時以上かもしれない。

 今季のウッズは、ここ数年の中ではスイングの精度の安定性というテクニカル面に加えて、フィジカルでもメンタルでも充実し、円熟した印象を受ける。

 かつて、ニクラスが「タイガーの素晴らしいところは、カッとなっても2秒で切り替えられることだ」と語っているが、その沈着さを完全に取り戻した感があるのだ。

 だからこそ、キャデラック選手権でも、自分を抑え、勝ちゲームをデザインし、実際にモノに出来た。もしかすると、そのプレーの冷静さは、絶好調のとき以上かもしれない。まさに、世阿弥のいう「離見の見」の境地――37歳のウッズは、プレーしている自分の姿を、客観的に見ることができているのだろう。

 とすると、4月11日から始まるマスターズが楽しみになってくる。世界ランク1位の23歳、ローリー・マキロイや42歳のフィル・ミケルソンなど、年間グランドスラムの第一難関に挑む若手、ベテランの中で、どんな存在感を示すのか。

 再び、ニクラスの言葉を引用する。

「(モチベーションを保ち続けるには)デザイア(熱望)が第一。そしてプレッシャーの中で戦うことが中毒になるくらい愉しいと思えること」

 今のウッズはいよいよ、その領域に入ってきたのではないかと期待してしまう。

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