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交流戦から岡田采配が波に乗った!!
目の前の勝利にこだわり優勝を狙う。 

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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posted2010/07/05 12:25

交流戦から岡田采配が波に乗った!!目の前の勝利にこだわり優勝を狙う。<Number Web> photograph by KYODO

 連勝にも緩んだ空気が一つもない。

 今季、結果の出ていなかった金子千尋が復調を予感させる完封勝利を収めても、指揮官、ナインともに、緩むような雰囲気がない。チームに浮かれた様子はまったくない。

 7月1日の楽天戦を終えてのこと。

 指揮官の言葉の中に、これからの戦いがいかに重要か選手もよく理解しているのだ、という揺るぎない自信が感じられた。

「オールスターまでの30試合を大事に戦う。1試合1試合が大事やと選手には言ってある。交流戦が明けて(30試合のうちの)もうすぐ半分か。ここをどう乗り切れるか」

 岡田彰布監督は今が勝負どころとチームに大号令を発し、選手たちも目の前の1試合1試合に勝利の一念を込めているように見える。開幕からその采配には注目してきたが、時には傲慢にさえ映る彼の戦略は、これまでのところことごとくプラスに転化されているようだ。指揮官が高い目標を掲げて先頭に立つことで、選手たちのモチベーションも見事に保たれている。

 出遅れたエース金子千はこの楽天戦で今季3度目の完封を果たしたが、「ほっとした」を繰り返し、まったく笑顔を見せない。

「今までチームに迷惑ばかりを掛けてきたので、なんとか、チームに貢献したかった」と神妙な面持ちで話すだけであった。

交流戦前まではチームがまったくかみ合っていなかった。

 交流戦を境にして、オリックスは立ち直った。

 4連勝を飾るなどして開幕ダッシュには成功したものの、4月最初の千葉ロッテ戦で3連敗を喫してから、ズルズルとチームは下降線をたどっていった。安定しない先発陣に、起用が定まらない救援陣。打線も、伸長著しいT-岡田の存在はあったものの、チーム全体でかみ合っているようには見えなかった。

「結局、監督が代わっても、チームの根本が変わらない。一緒やということ。去年の雰囲気に似てきたよ」

 誰が話したか分からないが、球場内のトイレにいるとそんなヒソヒソ話までが漏れ伝わってくるほどの惨状だった。

 時として、岡田監督の采配が傲慢に過ぎるとの批判も浴びた。

 復調し始めたように見えた4月末から5月中旬にかけては、好機での見逃し三振、三球三振を厳しく処罰し、即二軍降格を命じていた。5月は1カ月だけで20人もの選手が一、二軍を行き来したのだ。3、4月が11人、6月は11人だから、異常な数字である。迷いか、苛立ちか。様々な憶測も飛んだが、チームが全体として迷走していることは明白だった。

【次ページ】 投手陣の配置転換によりチームが一気に目覚める!!

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