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復活した元祖“天才”が、
今季のレースを熱くする。
~モトGP開幕前、ロッシが好走~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2013/03/21 06:00

関係者をも驚かせる復活劇を見せたロッシ。34歳の今季はクラス2番目の高齢選手となる。

関係者をも驚かせる復活劇を見せたロッシ。34歳の今季はクラス2番目の高齢選手となる。

 2013年のシーズン開幕を告げるマレーシア・セパンのモトGPクラス公式テストで、今季ヤマハに出戻り移籍したバレンティーノ・ロッシが復活の走りを見せた。

 昨年7勝を挙げたホンダのエースのダニ・ペドロサと、昨年6勝を挙げてタイトルを獲得したチームメイトのホルヘ・ロレンソに続く、僅差の3番手。ドゥカティの2年間で低迷した理由が、ライダーではなくバイクにあったことを証明する快走だった。

「最初から気持ち良く乗れて、周回を重ねるごとにタイムは良くなった。ヤマハはやっぱり、自分のライディングに合っている。最高だね」

 2月に34歳になったロッシだが、20代半ばでライダーとしてピークを迎えているペドロサやロレンソに割って入り、チャンピオン争いに加われる力があることを見事に証明した。

 現在のモトGPマシンは、コスト削減のために、さまざまな制約が求められている。タイヤもブリヂストンの1社供給となってからは、そのパフォーマンスを引き出すことが重要になった。つまり、緻密なバイク作りが要求される時代なのだが、ドゥカティはマシンのビッグチェンジを繰り返した結果、速く走らせるための基準を見失った。それはロッシというスーパースターを招いたがゆえ、彼に見合うリザルトを性急に求めたからであり、両者にとって不幸な2年間だった。

ヤマハに戻ったきたロッシは早くも類い希な分析能力を発揮。

 ヤマハに戻って最高に幸せだというロッシ。一方のドゥカティは、地味だが実力のあるアンドレア・ドビツィオーゾを獲得して復活の道を探ることになる。ロッシにとってもドゥカティにとっても、良い決断となったのではないだろうか。

 それにしても、ロッシの実力には、あらためて感服させられる。初テストを終えた段階でヤマハのスタッフから聞こえてくるのは、「ドクター」と称されるロッシの類い希な分析能力の高さである。

 失意の2年間を経ても、依然としてマシン作りの面でロレンソに優っていることは間違いなく、ロッシとヤマハ双方にとって、今年の移籍はいいことずくめのようだ。

 ベテランのロッシがどんな走りをしてくれるのか。4月7日の開幕戦カタールGPが楽しみで仕方がない。

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